会場に着いてから安堵して周りを見回すと

何やら素敵な空間。

 

じっくり見たいけれど時間がないのでとりあえずさっそくチケットを買う。

 

実はチケットが売り切れでもしていたらどうしようと思ったけれど

映画館のサイトにどこにも空き席情報がないので

えい、ままよ(使い方合ってる?)と来てしまったのでした。

 

ドキドキしながら尋ねると

自由席なので先着順でご自由にどうぞと言われる。

 

席があってよかったと胸を撫で下ろす。

 

そうして劇場にようやくたどり着いたのですが

そこはミニシアターでした。

 

ちょっとしたお金持ちの家だったらありそうなくらいの大きさ。

 

ほんのほんのちょっぴり、早まったかと思わないでもなかったけれど。

 

席は50席足らず。

 

でも始まったらもう夢中になりました。

大きさなんて全く気にもなりません。

 

ピアノの音は美しく心に染み入りました。

映画ではなく演奏会のようでもありました。

 

ピアノの音のみならず

部屋の調度品やインテリアの素晴らしいこと

 

フジコさんは自分がいつかいなくなっても家を残したいのだそう

フジコさんが住んでいた家ということでいろいろな人が訪れてくれたらよいと。

 

記憶違いでなければ

パリの家は自分の描いた絵を飾るために用意したものだとか。

ああでもない、こうでもないと配置が落ち着くのに10年くらいかかったのだとか。

 

洋書を並べるのが夢だったとおっしゃり

本棚いっぱいに美しく並べられている。

 

暇ができたら読みたいけどいつになったらできるか・・・

 

つぶやかれた言葉が切なくもありました。

 

フジコさん、フジコさんの衣装、絵、小物、インテリア、風景

すべてひっくるめてすばらしい芸術を鑑賞している気持ちでした。

 

知らないうちに涙があふれていました。

 

みんな言うじゃない

子どもが小さい時が一番幸せだったって

私も子どもをもらいたいと教会に言ったことがある

だけど旦那がいないからダメだって

 

この子がいなかったら生きられなかった

猫ちゃんに対するフジコさんの言葉

 

エンドロールが終わっても

すぐには立てなかった

 

 

 

リストの”ため息”

 

フジコさんの曲に寄せる特別な思いを知る。

 

あれは何年前の事なのか

2000年なのかもっと遅かったのか

フジコさんが日本で有名になったきっかけのドキュメント

わたしが見たのは再放送だったのかもしれない。

偶然テレビ欄に見つけ

何か気になり

夜遅いにも関わらず見て

衝撃を受け

動けなくなりました。

 

そのときからあこがれた”ため息”

 

以前、この曲で分不相応にもレッスンを希望し

先生をも言葉を失わせたほどの無謀な取り組みをしまして

その時点での一応仕上がりにはなったけれど、

 

こんな美しい曲だったんだと

初めて聴くような感動を覚えました。

 

また練習してみたい。

今のテクニックでは無理そうだけど

もっともっと勉強して

あんな美しい”ため息”弾いてみたいなと思いました。

 

 

この色のところ:H30.10.9訂正