さて、長いこと日記をお休みしていたが、それは震災後の原発事故が余りに深刻でとてもではないが、各気分になれなかったからである。だいぶ最悪の時期を過ぎて、それとともに記憶も風化しつつあるのでこのまま書かないというのもありではあるが、やはり何かのために書いて置いた方が良いだろうと思い直して、時系列として書く。

12日から子供は頑張って荷造りをして、13日の日曜日は全部で11個の小包の封をした。14日は月曜日なので朝から郵便局に行ってその小包を出した。小包はインターネット集荷を申し込める上に、申告書類も書けるという事なのであるが、なぜかうまくいかず郵便局まで出かけていった。

郵便局ではおじさんがでっかいカートを貸してくれて、それに小包を移して窓口に持っていったが、窓口で「あ、住所は箱に直接書いてください」といわれて、マーカーを借りて11個の箱に住所を書いていった。また、税関の申告用紙も11枚あって、これには送り先と差出人、内容物のリスト(適当でよい)をかくのでこれが結構手間で、1時間近くを要してしまった。

その後は妻と近所の中華料理店でランチをして、午後はちょっとだけ大学に顔を出して仕事をした。

さて、土曜日は朝から報道に釘付けですっかり気分が暗くなっていたのであるが、そうこうしているとJudyがスカイプでコールしてきた。応答すると、朝から報道を見ているが涙が出てきて気分が落ち込むので、どこかに行かないかという。私たちは報道に釘付けになりながらも、荷造りをしていて、これもまた気分が落ち込むのであったが、とにかくやらなきゃといかにも日本人的な感覚でいたのであった。しかし、Judyの誘いもあることだし、天気がものすごく良かった。そういうわけで、オーケーをしたら昼前頃にやってきた。

その頃は子供たちの片付けがまだ佳境だったので、とめられなくて、私と大学のシステムの日米比較などを話し込んだ。その後は、近くのドーナツやにいって昼食をとったあと、これまた近所の州立公園に行って川筋を散策した。

夜はニカラグア人留学生のA氏も迎えて、我が家で夕食を摂って、UNOをしたり月を望遠鏡で見て、Judyは月面の撮影にチャレンジしたのであった。

まったくJudyは情が厚いというか、私なんかには本当に考えられないほど同情心に溢れた人で、車に乗っている最中も何か私に出来ることはないかと言うのであった。
アメリカでは日本のニュースなんかまず目にすることがないが、今回の大震災は破格の扱いで、CNNは地震の話ばっかりしている。流れから言うとこちらの時間の金曜日の朝から、日本で大地震があったと言うことで仙台空港を覆う津波の映像などが頻々と流れるようになり、その後はハワイやカリフォルニアでも津波がありうると言うことで、津波解説一色になった。ハワイ、カリフォルニアでも被害が出きった、金曜の夕方からは再び日本一色になったが、土曜日からは福島第一原発で炉心溶融が始まりそうだと言うことで、CNNは原子力一色になった。

原子力が制御できていないというのは金曜日の朝から問題になっていたが、初期微動を検出した段階で制御棒が即座に挿入され、臨界は止まっているはずである。それに、緊急炉心冷却装置も取りあえず最初のうちは働いていたので、原子力に詳しいうちのボスも、さほど詳しくない私も私もまあ何とかなるだろうと高をくくっていた。ところが、圧力容器内で水位が下がっているという事が土曜日には明確になってきたので、これはなんだろうと言うことになった。

私もいまだによくわからないのは、どうして密閉系であるはずの圧力容器内の水位が低下するのかと言うことである。素人考えではあるが、これは要するにどこかから漏れていると言うことでこれは本格的な炉心溶融もあり得るような気がして、大変なことだと思ったが結局東京電力は海水を格納容器内に満たすという大英断をした。これはアメリカでも深刻な事態だという評価がある反面、良くやったという評価の声がおおい。一般に今回の地震報道では日本のやることは一挙手一投足絶賛を浴びていて、CNNのキャスターが日本の対応について問題点があるかというと、答える専門家は大抵彼らは良くやっているという。

考えてみれば、日本のように人口が稠密なところでマグニチュード9の地震が発生し、原発も爆発しているのに、特におおきな混乱も暴動や略奪、政府への抗議行動もなく淡々とやっているのは驚嘆に値するところだと思う。

しかし、被害の状況は余りに巨大で、日本の報道によると避難で空き家になったところで窃盗が横行していると言うし、何しろ巨大な財政赤字がある国の半身がなかばマヒしている状況なので、日本の絶賛報道もこれから急激に風向きを変えることは想像に難くない。