『季節のない街』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

なにわの司法書士の徒然草

つれづれなるままに日暮らし
PCに向かいて
心にうつりゆくよしなしごとを
そこはかとなく書きつづれば
あやしうこそものぐるをしけれ

テレビ東京金曜24時42分のドラマ『季節のない街』

 

 

山本周五郎氏の小説を原作に、宮藤官九郎が脚本と監督を担当

 

そう聞くとなんとも豪華

 

出演者も、中心となる池松壮亮、仲野太賀、渡辺大知の3人の他にも

 

濱田岳、ベンガル、三浦透子、高橋メアリージュン、MEGUMI、又吉直樹、前田敦子と

 

プライムタイムの連ドラが作れるようなラインアップ

 

 

しかし、構成として1話ごとにそのうちのどこかの世帯を描いていく形を取ったので

 

メインの3人以外の出演はほぼ1話から2話ずつだけ

 

一応毎回出演者としてキャストロールに名前は出るが、1話ゲストに近い形

 

そのため、前話を通してのストーリーの流れは希薄に感じてしまった

 

 

全体としてのストーリーは、仮設住宅での人々の生きざまを描きながら

 

中盤以降に立ち退きという言葉が浮かび上がってくる

 

仮設住宅の様子を報告するという池松壮亮が請け負ったバイトも

 

実は立ち退きを有利に進めるために住民の細かな事情を知るためだったり

 

藤井隆が職探ししている仲野太賀を自分の不動産会社に採用したのも

 

立ち退き交渉の担当をさせるためだったりと、次第にいろいろなことがつながってくる

 

ただ、立ち退きに関して揉めるということはほとんど描かれず

 

最後に仮設住宅を出て行った住民たちが明るく楽しく生活する様子を映し出して終了する

 

 

ラストの結末が、仮設住宅を出て行ってもみんな力強く生きてます、というものなわりに

 

1話ごとのエピソードが、幼い子供が傷んだサバを生で食べて死んでしまったり

 

三浦透子が近親相姦で妊娠させられたり、仲野太賀は自殺しようとしたり

 

少しばかり重い話が目立ったのは、小説の時代背景から来るものだろうか

 

 

小説や漫画原作の映像化の議論がいろいろと取りざたされていて

 

個人的にはドラマフリークなので映像化賛成の立場なのだが

 

たまに、この作品は小説や漫画でそのまま読んだ方が面白いのだろうなという作品がある

 

今作もその1つであるように感じた