『VRおじさんの初恋』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

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NHKテレビ月~木曜22時45分のドラマ『VRおじさんの初恋』

 

 

あまりにも意外過ぎる展開にすっかり踊らされた感のある作品

 

初回を見た時には、実社会の孤独をVRの仮想空間にいることで埋めている野間口徹が

 

VR世界で出会った井桁弘恵に恋をし、そのアバターを使っている女性と実社会でも会い

 

これまで人と交流せずに生きていた野間口徹の初恋が始まる

 

それがこのタイトルの意味だと思っていた

 

 

いや、ある意味それは正解ではあったのかもしれない

 

野間口徹のアバターである倉沢杏菜は、無邪気に近寄ってくる井桁弘恵に恋

 

第1週のうちに、井桁弘恵が倉沢杏菜のほっぺたにキスをして、野間口徹がドギマギしていると

 

間を置くこと無く今度は口にキス

 

野間口徹の「ファーストキスだった」は、実社会での本当の話なんだろう

 

どんどん恋心の膨らむ倉沢杏菜はついに井桁弘恵に告白

 

 

こうして序盤のうちは予想通りの展開だったが

 

井桁弘恵のアバターを使っていたのが坂東弥十郎だとわかったところから急展開

 

VR世界で恋をした女性が実は男、しかも自分よりも年上のおじさんだと知って

 

野間口徹の初恋も早々に消えてしまうものだと思っていたし

 

それ以降VR世界に行こうとも思わないのではないかとも思っていた

 

 

ところが、それまで男女問わずに人付き合いの無かった野間口徹にとっては

 

初めて自分に構ってくれた人、そして初めて人を好きになった相手である井桁弘恵の正体が

 

女だろうが男だろうが、子供だろうがおじさんだろうが、関係なかったのだろう

 

その後も野間口徹と坂東彌十郎は、実社会でもVR世界でも親しく付き合い

 

相手がおじさんだとわかっていてもVR世界の倉沢杏菜と井桁弘恵はキスをしたり

 

坂東彌十郎が余命宣告されていることもあって、互いへの思いを募らせていく

 

実社会での坂東彌十郎への野間口徹の気持ちを客観的に「恋」と呼ぶのかどうかは別として

 

初めて他人を大事にしたいと思ったその気持ち、野間口徹にとっては「初恋」そのものなわけだ

 

 

そしてドラマの後半ではストーリーの軸も変換

 

それまでの野間口徹と坂東彌十郎の2人の関係から

 

坂東彌十郎と田中麗奈の父娘の関係が中心になって、孫の柊木陽太や秘書の前原滉も巻き込んで

 

2人の仲直り作戦、坂東彌十郎を気遣って協力する野間口徹という構図に

 

 

最後は、坂東彌十郎が亡くなる前に無事田中麗奈との仲直りも済ませ

 

生前にほとんど親孝行できなかった償いなのか、田中麗奈はサービス終了したVR世界の

 

後継アプリのために出資

 

終了した『TWILIGHT』(たそがれ時)の後継アプリの名前は『DAY BREAK』

 

夜明けという名前には、『TWILIGHT』の後継という意味合いの他に

 

冷戦状態だった田中麗奈と坂東彌十郎の心の闇が明けたという意味もあるのだろう

 

なかなかおしゃれなエンディングだ