『ユーミンストーリーズ』 | なにわの司法書士の徒然草

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NHKテレビ月~木曜22時45分のドラマ『ユーミンストーリーズ』

 

 

帯ドラマの『夜ドラ』は、多くの作品を8週32話を基本に構成するようになってきたが

 

合間合間に、作品の隙間を埋めるように1週や2週程度の作品を放送してきた

 

今作も言ってみればその類になるのだろうが、それにしては豪華な作品になっている

 

 

作品の作りとしては、松任谷由実さんの曲を元にしたドラマを制作

 

1曲で1週4話を構成して、今後3週にわたって放送していくという形

 

実はこの作りは過去にもあって、確かTBSだったと思うが、30年ほど前に

 

2時間ぐらいのスペシャルドラマで、その中に松任谷由実さんの曲を元にしたドラマを

 

3本ぐらい盛り込むという企画があった

 

明石家さんまさんと浅野ゆう子さんが主演した『ノーサイド』が妙に記憶に残っている

 

最近では、中島みゆきさんの『糸』だったり、もう少し遡れば一青窈さんの『ハナミズキ』を

 

元にした映画が製作されたりもしたが、そのはしりと言ってもいいかもしれない

 

 

ということで、企画自体はそれほど珍しいものではないのだが

 

豪華さを感じさせる一番の要素が「原作」

 

30年前のTBSのドラマでは、「誰それ脚本」と、脚本家の名前がクローズアップされていて

 

脚本家が曲の世界観をそのまま脚本に落とし込んだ作り方だったと思うし

 

おそらく『糸』や『ハナミズキ』もそうなのだと思う

 

 

しかし今作では、脚本とは別に原作者のクレジット

 

つまり、曲の世界をいったん小説の形に作り上げてもらって、その小説を原作として

 

さらに脚本家が脚本に仕上げるという手の込んだ作り方をしている

 

しかもその原作者の中に、綿矢りさ、川上弘美と2人の芥川賞作家の名前

 

わざわざこのドラマのために売れっ子作家に小説を書き上げてもらう

 

そんなことはNHKでしかできなさそうな贅沢さ

 

松任谷由実さんの世界観と共に、それぞれの作家の作風も掛け合わされてドラマが出来上がる

 

こんな楽しみな作品を、15分×4話に終わらせるのも何とももったいない話だ

 

 

今回選ばれた曲は、『青春のリグレット』と『冬の終わり』、『春よ、来い』の3曲

 

それぞれ、夏帆、麻生久美子さん、宮崎あおいさんが主演する

 

どうでもいい話だが、宮崎あおいさんは、前作に主演していた比嘉愛未さんに続き

 

『朝ドラ』と『夜ドラ』の主演制覇となった

 

 

第1話、まずは夏帆主演の『青春のリグレット』から

 

結婚後4年が経ち夫婦関係も冷めきって、しかも夫の中島歩の浮気のラインを発見

 

それでも追及して雰囲気を悪くするよりも夫婦の仲を深めようと旅行に誘った夏帆

 

宿泊したコテージで、かつて同じように旅行に来た元カレの金子大地とのことを思い出す

 

一方で、夫婦関係修復を期待して中島歩に迫るが、拒否されただけでなく

 

中島歩の口から飛び出したのは「俺たち、離婚しない?」

 

 

さてここからどう展開していくのか、綿矢りさが小説として作り上げたということで

 

期待感はどうしても高まってしまう

 

唯一の難点は、個人的にナレーションの声、口調がちょっと苦手な感じ

 

冒頭がナレーションから始まって、ちょっと勢いを削がれてしまった