年に一回、健康診断を受ける。
昔は会社で一斉にやっていたが、今は休暇を取って外部の病院である。
問診で、「物忘れが酷い」と最初に伝えたのが3年前だったと思う。
40代後半だったので、先生も少し戸惑っておられた。
翌年、有料オプションで追加検査が受けられると聞いたので、申し込むことにした。
「認知症検査」と「脳ドック」とあって、自分がどちらを受けるべきか迷ったのだが、母に認知症の診断が出ていたので、「認知症検査」にしてみた。
MCIというもので血液中のタンパク質を調べるものだった。オプション料は2万円ぐらいだった気がする。
自分の感覚として、取引先のお名前や、金額等の数字が頭に残らなくなってしまったので、
酷い結果が出るのではないか…。と思ったのだが、予想に反して異常無しだった。
これは大いに喜ぶべきことだと思うのだが、自身としては何となく不満で、
いやいや、こんなに忘れっぽくなった自覚があるのに、異常無しってことは無いだろう。とか思ってしまった。
名前や数字、どちらも仕事には必須の内容である。
記憶に留められない努力不足を病気のせいにしたかったのだろうか…
我ながら恥ずかしい気がした。
あれから3年が経ち、仕事の幅が広がり、記憶はさらに鈍化している。
物忘れに困らないよう、会話はノートに記録し、説明の際には、最大限の展開をイメージして準備するが、思いも寄らない質問への対応は弱い。
自分より年配の上司は実によく覚えていて、さらにあちこちと話を広げていく。その展開力に付いていけない…
幸運にも優秀な部下に恵まれている。彼らの努力を無駄にはできない。加えて子供にもお金が掛かり、まだ万歳はできない。
サラリーマンは気楽な稼業という話もあるが、そうでもないと思う。上司にダメ出しされるまで、期待に応えなければならない。
自分の引き出しを肥やして、考えて、考えて、考えるしかない。その先が何になるのかはよく分からない。
おそらく私は、勝手に古いサラリーマン像に縛られているのだろう。そうだとしても、何かを生まないと進めないことに変わりはない。
せめて前向きにとりくみたいと思う。