私の祖母は農家の長女で兵庫県の人だった。そして、鎌倉時代から続く刀鍛冶家の長男と許されぬ恋に落ち、北海道に駆け落ちした。
それが私の尊敬する「おじいちゃんとおばあちゃん。」なのだ。
そして私は、祖母からたくさんの「生きるすべ」を教えていただいたからこそ、今があるのだと感じている。
その彼女の一番の思い出が、私が7歳の頃ニシン漬けを漬けている彼女の姿。どうしてもこの季節、亡くなった祖母がいっていた言葉を思い出す。
「多聞!貴方はまだ小さいからわからないけれど、教えておくよ。」
「いつかお嫁さんをもらったら、漬物に使う大根は鉈(なた)で断ち切るように教えてあげなさい。包丁で丁寧に切ると味がしみない失敗の漬物が出きるんだよ。」
「多聞。漬物は北海道に暮らす私達の命なんだよ。」
「多聞。漬物 は北海道の女の宝物なんだ。」ニシン漬け
「いいかい、こうやって断ち切る漬け方をおまえのお嫁さんに教えてあげるんだよ。」
「そして今年も美味しい漬物が浸かるように、気にして祈るようなお嫁をもらいなさい。」
「おばあちゃんはこうして何度も漬物を漬けてきたんだよ。これはね、おばあちゃんの遠いおかあちゃんがいっていたんだよ。」
「うちには女の孫がいない。だからおまえに教えるんだよ。」
「多聞。人はね,たくさん働いて、たくさん美味しくたべて幸せになるんだよ。」
「おばあちゃんも腰が曲がるまで働いてきたけれどね、漬物はその家の思いやりが現われる食べ物なんだよ。」
「ニシン漬けのキャベツは一番硬くて安いやつを選ぶんだよ。寒い冬にしばれてしまっても甘くって疲れを取ってくれるんだよ。」
「たくあんは少ししょっぱく漬けて塩からくしなさい。」
「そしたら春にタンポポを食べる時期までもつんだよ。したら病気しなくなる。 水出しでいつでも食べれるんだよ。」
「すっぱくなったら投げないで(捨てないで)細かく切って油で炒めて食べなさい。目を丈夫にするんだよ。」
「つけた大根の葉っぱを捨ててはなんもならんよ。一番栄養があるんだよ。納豆に混ぜたりそのままお湯に溶いて汁で飲みなさい。冬に足先が温かくなるからな。」
嗚呼、おばあちゃん。僕の大切なおばあちゃん。
今年も私が貴方の漬物を漬けます。 ニシン漬けの具は貴方と同じく特大にして、鉈で断ち切るように作ります。
そして私は、この漬物に味が染みて、北海道の真冬がきたなら毎日かみ締めながら、いつも貴方を思います。しばれたニシン漬けをシャキシャキ食べます。
大農に生まれ裕福だった祖母。小町と歌われた娘は、名家の跡継ぎ(長男)と恋に落ちました。
しかし、時がとき、格式を重んじ卑しく家柄にこだわる祖父の一族は結婚を認めることはありませんでした。
何の苦労も知らぬ若い二人は、何一つ持たずに北海道へ逃避行し、その恋に生きました。
バラックが立ち並び、未だ道路も整備されていなかった北海道。その厳寒の地で祖母はいかばかりの苦労をしたことでしょうか。
20歳の彼女がどんな生活の中で生きるすべを身につけたのか。私の想像は及ぶことはありません。
7人の子供をもうけ、子供たちが親孝行をするいとまもなく亡くなった祖母を思うとき、私は流れる涙を抑えることができなくなります。

(トレーラーを整備する私)
今日はそんな祖母のために詩を。
「母が来た道」でお別れします。潮騒が優しく貴方を包みます。癒しの詩をどうぞ。
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母が来た道
なにひとつ変わらないはずの
この場所をまた訪れてしまう
潮騒も大好きだった夕日さえ
堰切る想いが閉じ込めてゆく
恋をして愛を知り母は生きた
産まれた私はきっと潮騒の子
くり返す波の音は険しく
くり返す私の恋は儚いよ
返り見るハマナス小路に
みかん色の月が微笑んだ
なにひとつ変わらないはずの
母が歩んだ道を私もたどろう
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「君はノーサイドの笛を聞いたか」
人は弱くてもいい
だから愛を知り
この身を焦がすほど
強く生きられる
詩作:松尾 多聞
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