メインマシンとして8年間使っている第四世代のWindows10パソコンを、Microsoft公式ホームページで一般公開されているWindows11を無料ダウンロードし、公式ホームページにある非適格パソコンのアップグレード方法にしたがって、最近簡単にアップグレードしました(以前の記事)が、特に緊急でもなく必要ないとも思ったのですが、今回ついでに今流行のSSD(Solid State Drive)に試しにハードディスクドライブ(HDD)を交換してみようと思い立ちました。

 

ネット上ではHDDをSSDに換装するための「クローン作成」ソフト紹介やそのための専用機器宣伝、やり方の説明、失敗談に成功談など関連情報が溢れるほど出ていますが、今回はそれらを一切使わず、昔からあるWindows標準装備の伝統的なHDD交換方法(システムバックアップからのシステム回復機能)を利用して、作業所要時間20分ほどで無コストで簡単にSSD換装に成功しました。

●SSD換装後の感想

全体的に操作スピードは変わりませんが、電源を入れた直後のシステム立ち上げや、ネット閲覧ブラウザの立ち上げ、その他アプリ始動の「キレ」が良くなりました。いろいろなホームページへのログインやホームページ閲覧切替のスピードも早くなったようです。電源投入後の待ち時間も90秒から40秒に短縮されて、ドリップコーヒーからインスタントコーヒーの余裕に変わったという印象です。

 

HDDに比較してSSDはデータの読み取り、書き込みスピードが格段に速いため、例えばファイルのコピーや移動、変換などの作業で大きな威力を発揮してくれます。わかりやすく言えば、SSD換装の効果は瞬間芸が得意になった、という印象です。俗にいう「サクサク」という感じでしょうか。

 


今回も費用ゼロでの短時間作業に成功しましたが、ご参考までに手順と注意点を以下記録しておきましょう。

1.SSDの選択

SSDとは、大きなUSBメモリーステイックのようなものです。これを従来のハードディスクドライブとそのまま取り換えられるように2.5インチサイズ、接続端子の仕様にしたものが「2.5インチSSD」と呼ばれるもので、そのほかにもパソコンのDIMMメモリと同じサイズでさらに高速の「M.2SSD」というものもあり、これは最新のパソコンには装着端子がありますが、従来のパソコンならば拡張スロットに専用アダプタ(千円ぐらい)が必要になります。どちらも海千山千、高価格から廉価なものまで、かなりの種類が出回っています。それだけ現在売れているのでしょう。

今回はM.2タイプはアダプタに費用がかかること、マザーボードのスピードよりも速いM.2タイプは装着しても意味が無いことから、今後新しくパソコンを買い替える際の検討課題としました。

USBステイックを使ったことのある方ならご存じでしょうが、同じUSB3.0規格でも、安物は書き込み速度が異様に遅かったり、甚だしくはフリーズしたり、壊れてしまうものまであります。昔、中国で買った安物USBにウイルスが仕込まれていたこともありました。
SSDも同じで、俗に中華SSDと呼ばれる異様に廉価なものは性能、耐久性ともに悪質USBメモリと同様で注意が必要です。

いろいろ調べた結果、韓国SAMSUNG製品が性能的に優れているようですが、Crucial製品と同様に高価格で、売れ筋なだけに粗悪な偽物も出回っているようです。また半導体メモリは消耗品で、売られている中古品はどれも古いものが多く、耐久性が未知数のため、安くても中古は避けた方が無難です。

たどり着いた結論はSAMSUNGのほぼ半値(2~3千円)で新品で売られている台湾製で日本製チップが使用されているというPNYというメーカーの製品です。非上場となってしまった東芝製のKIOXIA製も同等品で候補に挙がったのですが、同社USBメモリーステイックで苦労させられている(書き込みがとても遅い)経験から敬遠することにしました。

 



AMAZONでは2千円ほど送料無料で長らく売られていたのですが、正月早々に急に値上がりしたとたん、品切れになっていました。皆が目を付けていたのでしょうね。
他方、お正月セールで半額クーポンを配布していた大手ネットショッピングで最安値を探すと2、500円ほど。これを半額で購入して、貯めているポイントで支払ったので、実質費用ゼロで入手できました。休み中でも翌日配達で届きました。

2.今回のSSD換装の手順と注意点

Windows11の基本的なシステム修復作業の詳細についてはネットのMicrosoftやPCメーカーのホームページに図解入りで詳しく説明されているので割愛し、ここでは個人的に注意すべき教訓点だけをまとめました。

①SSDの選択と購入

※性能の良い新品を廉価で購入する

②既存のHDDのデータ整理とバックアップ作成

※PC内臓のデータディスクにあるデータを全てUSB外付ディスクに退避させておかないと、バックアップのサイズが大きくなり、余計な時間がかかり、エラーの元になります
※内臓データディスクを空にしてフォーマットしたうえで、そこにWindows11のシステム・データバックアップを「設定」から作成します(約2時間)
※内臓システムディク中のライブラリ場所やiTunesなど、別のデータディスクと紐づいているものをすべて切り離さないと、バックアップ作業でエラーの元になります。要はCドライブのハードディスクだけでシステムをすべて完結させること。

③システム修復ツール(USBメモリ)の作成(約10分)

※MicrosoftホームページでWindows11インストールUSBメモリにダウンロード作成し、これが修復ツール起動デイスクになります

④SSDのフォーマット(必須)

※必ずCドライブと同じ様式(GPTまたはMBR)で割り当てて予めフォーマットしておかないとバックアップ作業中でフリーズします

⑤既存HDD取り外しとSSD装着

 

既存HDDはディスク1、SSDはディスク0につなぎ、古いHDDは接続端子を外して、故障時対応の予備ディスクとしてそのまま保管しておきました

 

端子サイズ、とりつけは新旧で同じ

⑥再起動してシステム修復作業(約20分)

 

おなじみのインストール初期画面

 

次の画面で左下のコンピューター修復を選択

 

トラブルシューティングを選択し、次の画面でバックアップイメージからの修復を選ぶ

 

USBからの起動時にうっかりUEFIモードを選ばなかったので

回復作業不可能メッセージが出てしまいました(初歩ミス)

 

改めて電源再起動してUEFIモードを選択して難なくシステム復元作業を開始

 

20分ほどで修復(復元)完了


⑦インターネットにつないで再起動、ライセンス(アクティブ)確認して換装完了

写真の通り、SSDはトランプカードほどの大きさで非常に軽く、動作は速くて音も出ません。また不思議ですが、使うほどスピードが速くなるようにも感じます。今回の換装で、従来のハードディスクやDVDディスクもいずれ姿を消してしまう運命と感じました。

 

なお、クローン作成でもなく、システム修復でもなく、新規にクリーン再インストールするというもっとも簡単な方法もありますが、パソコンが旧型で不適格な場合はインストール時にレジストリを書き換える対応が必要です。