一般質問⑤障がいのある方への経済的自立のための工賃向上について | ためや通信

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日々徒然

企業などで雇用されることが困難な障がい者の方々には、障害者総合支援法に位置付けられた就労継続支援B型事業所があり、このサービスでは、障がい者に対して生産活動の機会などの支援が提供され、働いた対価として工賃が支払われています。

しかし、令和2年度から、新型コロナウイルス感染症の流行の影響をやはり受けており、県が就労継続支援B型事業所などを対象に実施した調査によると、事業所の生産活動収入は、減少傾向との回答が全体の61.6%、工賃についても減少傾向との回答が全体の51.7%であった。
事業所で働く障がい者にとって、工賃は大変重要なものであり、こうした厳しい状況にある事業所に対する支援を、県は、より一層、強化していく必要があると考えています。
そこで、障がい者に対する工賃向上に向けて、県は、どのように取り組んでいくのか、見解を伺いました。

■答弁
障がい者が、地域で生き生きと生活するには、働く場である、障がいサービス事業所の生産活動を充実させ、障がい者の経済的な基盤の確立につながる、工賃の向上を図っていくことが大変重要です。
県は、平成19年度に、工賃の向上に向けて、「かながわ工賃アップ推進プラン」を策定し、事業所向けのセミナーの開催や、先進的な事例の紹介などを行って、事業所の取組を後押ししてきました。
また、企業や自治体などからの発注について、受付や相談を行う、共同受注窓口「はたらき隊かながわ」を設置し、事業所の受注拡大を支援してきました。
 さらに、コロナ禍では、受注の減少など事業所の生産活動に大きな影響が生じたため、令和2年度と令和3年度には、国の補助金を活用し、事業所に対して、感染防止対策や、コロナ禍でも受注が見込めるネット販売などの導入経費を助成しました。
しかし、県内の平均工賃月額は、コロナ禍の影響もあり、令和2年度は14,359円と、前年度の14,931円を下回るなど、厳しい状況であり、より一層、取組を強化していく必要があります。
県は、これまでも、県民に販売する「ともに生きる社会かながわ憲章」のロゴ入りTシャツや、全市町村で配布するヘルプマークの作成を、事業所に依頼してきました。
こうしたまとまった仕事が発注されるよう、改めて、全庁に事業所の活用を呼びかけるとともに、市町村に対しても働きかけていきます。
また、県が事業所に実施したアンケートでは、コロナ禍においても、マスク等の感染防止対策用品の作成や弁当販売の強化など、工夫を凝らして工賃を増やした事例もありましたので、こうした好事例を収集し、他の事業所へ情報提供することなども行っていきます。
さらに、引き続き、共同受注窓口「はたらき隊かながわ」で、きめ細かく相談を受け付け、事業所の受注拡大を支援するなど、障がいサービス事業所の工賃向上を進め、障がい者が、生き生きと、その人らしく暮らすことのできる地域社会の実現を目指してまいります。

 

■要望
先ほど、答弁の中で、工賃の平均月額が、1万4千円台に下がってしまっているという話がありました。B型事業所では、どうしても高い金額ではないとはいえ、このでの工賃を生活の大切な糧としているという声も当事者の方々から伺っています。引き続き、工賃向上に向けた支援に取り組んでいただくよう、強く要望いたします。