青島(チンタオ)生まれ青島育ち
経緯は分からないがともかく和歌山大学に留学
卒業と同時に事もあろうに人材派遣会社に入社
はじめは、興味本位に話をしていたが
彼の何時も真剣な姿勢にだんだん惹かれていく
風貌は真面目な前川清?
中国人と話をするのは初めてだ
勿論、彼が日本語が堪能だからできることだが
話していくうちに、日本人となんら変わらない
最初は、ビジネスでこちらに合わせているのだろう
そんな気持ちもあったが
彼女は居るのか?
と聞いてみたら・・・居ますと答える。
国に居るのか?
と聞いたら、和歌山に居ます。
との事だ。
結婚は、との質問に
給料が安いですから無理ですと答える。
国には帰らないのか?
の質問に、帰らないです。
父は昨年定年でという?(中国にも定年があるのだ?)
一人っ子政策の一人っ子
家族や親族は帰って来るように言うらしいが
日本に来てから考えが変わり
今の中国には帰りたくないという
多くは語らないが静かに微笑むだけだ。
彼と家族の話、国の話を始めてから
田舎から出来た頃の自分と重なる。
彼も最初は、中国で知った日本と
来て見た日本の違いに戸惑ったようだが
慣れてくるとこちらのほうが住み良いという?
真摯な仕事ぶりに、上司からも可愛がられている。
ところが昨日
『退職します。』
ニコニコとやって来た!
「そうか、国に帰るか?」
との質問に
「違います。」
とはっきり答える。
県の国際交流センターに職員として採用になったとか
ただ、国籍が違うから正職員ではない。
青島市は、三東省にあり、和歌山県は省と姉妹提携をしている。
年々増加する観光客に通訳、観光案内の仕事をするのだそうだ。
和歌山県としても、県民の減少、経済の停滞に
高野山へ、白浜へと観光事業の拡大は望むところで
これからの目玉部門だろう。
「俺の方が、君より和歌山は詳しいぞ、ボランティアで良いから使ってよな?」
『え・・ほんとですか、是非お願いしたいです。』
こぼれそうな笑顔で答えて帰っていった。
こんなにうれしそうな、退職報告は始めてだ。
とかくいろいろと問題の中国と日本だが、小さな小さな国際交流で
お互いに理解し合えれば、彼のような人も増えるだろう。
頑張れ・・・と応援をした。