浮身堂から~
興福寺に
『わ~あったわよ』の声
確かにあった。

三作石子詰之旧跡
以前に桂米朝の落語
【鹿政談】の枕で聞いた話
昔むかしのお話
興福寺門前に寺子屋があり
此処に三作という
勉学に励む少年(13歳)あり
ある日習字の勉強中
突然鹿が現れ
双紙(半紙)食べた
当時の半紙は和紙で繊維が多く
鹿にとっては美味しかったらしい
三作は・・・
大切な双紙を取られ思わず
鹿を追うために
文鎮をエイと投げつける
なんとこれが鹿に命中
当たり所が悪かったのか
ばたりと倒れて
ピタリとも動かない
さ~神鹿を殺したと大騒ぎ
結局極刑に処せられることになる
なんと・・・
一丈三尺の穴を掘り
三作と死んだ鹿を一緒に
ぐるぐる巻きにし
穴に掘り込んで
皆で石や土を放り込み
生き埋めにしたと云う
むごい処罰を与えたとの事だ
後に余りにも無残な刑だとして
これの供養にと
刑の執行した時刻
夕の七ツと六ツとの間で
十三鐘としてお祀りした
との事
その十三鐘が此処から
のぞめるのだ
なんとも
歴史の1ページに出遭った気分
歴史と共に人の
文化や価値観は
移り行くものなのだ
と実感した次第だ!