そこは人生に疲れた人の赴くところ。

 そこは人生にピリオドを打った人の集まるところ。

 生者は怯え、死者は遷ろう静寂の場所・・・。


 これは自殺の名所として知られる[富士の樹海]の探検記録です。(といっても遊歩道なんだけど。)



かをるんのブログ-樹海1


 西湖の奥の野鳥の公園、その更奥に広がる鬱蒼とした森へ、私たちは踏み込みました。



かをるんのブログ-樹海2


  中は日の光も満足に届かない深緑の世界。大木と見える木々は少なく、細い枝葉が縦横に絡まって、まるで我々の行く手を塞いでいるかの様。「この先へは行ってはならない。ここからは生なるものを拒む世界・・・。」そんな声が心の中に響いてくる。



かをるんのブログ-樹海3


 足元を見れば朽ちた枝さえも道を塞いでいる。その下には異常に露出した岩たちが、苔生す緑の衣を纏う。冷えた溶岩なのだ。ゴツゴツと棘のような突起があるくせに、踏むと妙に滑り足を捕られる。これも生者を脅す罠かもしれない・・・。



かをるんのブログ-樹海7


 立ち上がるような岩石にも緑の苔は纏わり付き、全てを覆いつくそうとする。(高さは30cmくらい。)



かをるんのブログ-樹海6


 眼下に異常なものが見えた。巨大な生物の骨のように白く横たわっていたが、すぐに朽ちた巨木だとわかる。だが、枝の取れ方が不自然だ。まるでわざと棘を残している様。そう、神話の巨人が使う棍棒のようではないか。いったいどうしてこんなものが・・・。



かをるんのブログ-樹海5


 目前に亀裂が走り、道を分断していた。未知なるものが引き裂いたかのようだ。これも警告なのか。



かをるんのブログ-樹海9


 同行したS子隊員がめくれ上がった巨岩の割れ目を指差している。何か発見したのか、もしや人骨では?!



かをるんのブログ-樹海8


 おおっ、これは幻しかもしれない珍しい茸では! 一説には死んだ人の魂が肉体から離れ切れず、茸の形となって骸より生えると云われている、らしい。

 やはりここは危険だ。速やかに脱出するべきだろう。



かをるんのブログ-樹海4


 えっ、戻る道が塞がれて・・・。


 ということもなく。30分ほどの散策でした。実際に危険なので、決して脇道へは逸れないように。

 この後、みんなで近くの温泉に入り、楽しい一日の終わりを締めました、とさ。


 めでたし、めでたし。    kaolun