鈴木政晴君はなんとも味のある子役である。
「非情のライセンス」第二シリーズ「兇悪のプレゼント」のよしお君役で有名だ。
他にも「破れ傘刀舟 悪人狩り」でもちょいちょいゲスト出演し、特に美形というのではないがその愛らしいお顔を見せてくれる。
さて、鈴木政晴君が出演している映画があると聞き、早速購入した。
「ガキ大将行進曲」である。
左右田一平、下川辰平、赤塚真人などベテランも出演しているが、主役は子供たちである。
主役1.秀才でお金持ちでハンサムな光男君
主役2.転校してきたモンキーと呼ばれる野生児
この二人と三人組を作る義之を演じたのが鈴木政晴君である。
義之(鈴木政晴君)はお父さん(下川辰平)が大工のせいか、トンカチと釘で結構大きな秘密基地みたいなものを一人で作ってしまう。絵も上手い。
どうでもいいことだが左利きである。
ちょっとデカめのいじめっ子にいじめられているが、やすやすと言うことをきいたりしない。
そのせいかいじめっ子に大事な基地を壊されてしまう。
そこで更に主役1,2と仕返しに行こうとするところを、昭和小学生女子に「すぐ喧嘩をするなんて!男子ってなんでそうなの?学校行事で勝負すればいいじゃない」などと、つじつまの合わないアドバイスをされ、それで納得してしまう。
その学校行事というのが「陣馬山に登る」というもので、かなり険しい山のため、高学年の児童しか参加せず、4年生からはいじめっ子と、彼ら3人だけなのだ(たぶん)。
3人は登山に向けて体力作りに励むが、頭はいいが体力が年寄り並みの光男君に足を引っ張られ、義之はなんだか面倒になってもうやめる、と言い出す。食べかけのアイスキャンデーを放り投げることによって、義之の捨て鉢な性格を表している。
主役1,2は主役なので諦めない。
しかし大事な秘密基地を壊されたいじめっ子に対する恨みが、再び義之に登山させることとなる。
ネタバレするが、ラスト、いじめっ子は泣きながら義之に謝罪する。本来ならば、特に児童映画であるならば、「いいってことよ」などと義之が言って、大団円になりそうだが、ここで義之は何も言わない。無言の三白眼でいじめっ子をじっと見つめている。
しかし、足を怪我したいじめっ子に対する憐みの感情も読み取れる。
そしてここまで全力で頑張った光男も涙を流している。
ここでカメラが引きになるが、義之の背中が上下しているのがわかる。
それが非常にリアルで良かった。
もっとも、その前に義之はいじめっ子のためにある助け舟を出してはいるのだが。
まったく期待しないで観たのだが、とても良い作品だった。
脇を固めるベテランは勿論、子役が皆うまい。うまくてかわいい。
左から義之、モンキー、光男

