SRに乗って1年半ぐらいたった頃でしょうか。
職場の上司にバイク乗りの人がいて
バイクの話で盛り上がりました。

その上司はホンダのスティード400に乗っており、
結構イジっているとのことで
僕がバイクに乗りたいと思ったきっかけがスティードだったことや、
前はドラッグスターに乗っていたことなどを話しました。

是非上司のそのスティードを見てみたいということもあって
当然のごとく


「今度一緒に走りに行きませんか?」


と言ってみたところ予想外の答えが。


「バカ、SRと一緒に走れるか!アメリカン買え」


車種差別!?
いや、そこまでではないと思います。
なんとなく僕にもその感覚は理解できたからです。


週末によくツーリングをしている人達を見かけますが
結構車種はまとまっています。
車種が変われば走り方も変わりますし、見た目のスタイルも違ってきます。
同じ系統で集まった方が話す内容も分かり合えて
利点が多いのは確かです。

もちろん車種に関係なく、単純にバイクというくくりで走っても
また違う楽しさがあります。



上司からアメリカンにしろと言われた僕は


「待ってくださいよ。いいじゃないですかSRでも。
走りに行きましょうよ!」
と言ったものの、どういうわけか最後には

「ちょっとバイク屋見に行ってみます」

と180度違うことを言っていました。



実はSRへのマンネリが若干あったからです。
前回書いたとおり、キックスタートが嫌になってきていたのもありますし
街でアメリカンが走っているのを見るとどこか気になっていたのです。



ここで一念発起
やっぱり僕はアメリカンが好きなんだ!
もう一度乗るなら納得がいくまでフルカスタムだ!


そんなわけでこれまたバイクを乗り換えることにしました。

問題は何に乗るか。
実は再びアメリカンに乗ると決めた時点ですでに決定していました。

それはカワサキのバルカン400



なぜバルカンなのか。
それは思い描いたカスタムを成し遂げるベース車がバルカンしかなかったからです。

長く、低く、細くがコンセプト。
そしてチョッパースタイルの黄金比。

何のことだか意味不明かも知れませんが
全長が長く、乗車スタイルは低く、車幅は小さくする。

チョッパースタイルというのは最もポピュラーなアメリカンカスタムの呼び名で、
簡単に言うと前タイヤを遠くにしてハンドルポジションを高くしたもの。
伝説のバイク映画イージーライダーに出てくるようなやつです。

出展http://blogs.yahoo.co.jp/fuji8888/34299309.html


黄金比というのはあくまでも僕の中での基準ですが
例えばドラッグスターで言えばこの赤い三角形のてっぺんの角の位置がもう少し高い方が
チョッパーらしいスタイルになります。


ただしドラッグスターは以前も書いたとおり、フレームの形状により重量感があります。
悪く言えばずんぐりむっくりしていると言うか、上から圧力をかけられて少し押しつぶされている感じです。


今回目指すのはナローなバイクなのでドラッグスターではそれを表現しづらい、
というか1度乗っているので同じのは嫌だという気持ちもありました。

バルカンはドラッグスターに引けを取らない車体サイズであり、
パーツも多く、国産アメリカンでは一番ハーレーに近い形状という声もあります。


以前はバルカンに特別な魅力を感じないなどと言っていましたが、
そんな自分を叱ってやりたい気持ちでバイク屋に行きました。


すると都合よすぎるほどいいやつがありました。


これはすでに前オーナーにより、ある程度カスタムされています。
変更箇所は
マフラー
サスペンション
シート
サイドカバー
ステップ
トリプルツリー
グリップ
ウインカー

前オーナーのセンスのすばらしい所として、アルミパーツのチョイス多数が挙げられます。
足を置くステップを含めた足回りがすべてアルミに換えられていました。
もちろんタンデム用のステップも。これ、買い揃えたら結構かかります。
また、サイドカバーもアルミのものに換えてあり、これも車体の印象をずいぶん変えるものです。
さらにグリップもアルミ製にされていました。
一番うれしいのはトリプルツリー。
トリプルツリーはヘッドライトの後ろらへんに付いている
フレームとフロントフォークをつなぐパーツです。
写真のバルカンは10°のトリプルが付いています。
度数というのはトリプルツリーの角度なのですが、ノーマルの状態を0°として
数値が大きいほど斜めになっていき、結果的に前輪が車体から離れていきます。
12°ぐらいまでいくとフロントフォークを長いものに交換しないとフレームをこすりますが、
10°はその必要がなく、写真のようにタイヤが前に突き出したスタイルができあがります。

さて、このバルカンに一目惚れした僕は購入を即決しました。
そしてもはや恒例になった、フルカスタム納車の計画を立てるのです。