田村俊子 | 右岸だより

右岸だより

 歳を取り、ヒマになりなり、昔やりたかったことを手掛けようと思っていますが、思うようにできません。そんな中で出来ることを探したり、出来るように工夫したりしてもがいている毎日を綴ってみたいと思っています。

田村俊子 瀬戸内晴美 文芸春秋

 「晴美」になっているから、かなり古い。田村は戦前の女流作家で樋口一葉と並び称される時期があったらしい。生涯をたどりながら作品を紹介している。

 田村は日本―カナダ―アメリカ―中国と日本人には珍しく世界を 股にして暮らした。このうち、カナダについては工藤の詳しい紹介を読んだ。これと日本での生い立ち、そして最期の地上海での生活がつながった。壮絶な生涯だが、才能をもっと生かす領域があったのではないかと思う。