生きて学ぶ | 右岸だより

右岸だより

 歳を取り、ヒマになりなり、昔やりたかったことを手掛けようと思っていますが、思うようにできません。そんな中で出来ることを探したり、出来るように工夫したりしてもがいている毎日を綴ってみたいと思っています。

生きて学ぶ 坂西志保 雷鳥社

 若いころアメリカで活躍し、戦時交換船で日本に帰国された。日本では政府委員などをやっておられた。どんな方か興味があり、借り出した。

 今風に言えば落ちこぼれで、初等広育を受けていない。検定で資格を取り、アメリカの大学では博士号を取るというすごい経歴を持つ。本書はいろんなところに出稿した雑文を集めたものなのでストーリーや一貫した主張があるわけではない。

 画一教育、詰め込み教育批判が書かれている。自主自学讃歌が続くが、それでも彼女自身系統的学習の必要性に気付いて大学教育はしっかり受け、博士になった。いきなりアメリカの大学だ。凡人にはそんなことできるはずがない。学校も、詰め込み教育も必要なこと逆説的に言っているのかもしれない。

 子育て論も面白い。信頼で結ばれた家庭で愛情に満ちた育て方が必要だと言っている。女性の社会進出も必要だが、子育て期間は専業主婦になることを勧めている。昨今のご時世では通用しない。