アメリカの影のもとで | 右岸だより

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 歳を取り、ヒマになりなり、昔やりたかったことを手掛けようと思っていますが、思うようにできません。そんな中で出来ることを探したり、出来るように工夫したりしてもがいている毎日を綴ってみたいと思っています。

 

アメリカの影のもとで 藤原帰一 法政大学出版局

 フィリピンに興味を持っている。特に日本の占領政策は先行したフィリピンの政策と似ていると言われたことに引っかかった。もう少し知りたかったがいくつかのことが分かった。特に間接統治を徹底し、天皇制のような既存の体制を残したこと、防衛分担をすることなどに影響が出ている。もっとも実際の運用、その後の経過は相当な差異があるようだ。

 フィリピンはスペイン、アメリカ、日本、そして再びアメリカと長い植民地時代がある。そのなかでアメリカは支配者よりもスペインからの解放者、日本からの解放者としてのイメージを作ることに腐心し、これがある程度成功している。このおかげで日本に対しても支配者イメージと解放者イメージがある程度あるという。これが対日感情が険悪でない理由でないかと論じられている。

 終わりの方で米軍基地がある横須賀で育ったことが山口百恵、小泉純一郎に影響しているという論文が入っていた。興味ある話なので追いかけてみたい。