バットを持ったまま打球が向かった左中間を見届け「完璧。久しぶりの感覚」に浸った。ソフトバンク・山川穂高内野手(32)の5月22日以来、131打席ぶりの本塁打は2−0の六回1死無走者から豪快にぶち込む13号でリーグトップに並んだ。チームメートは笑顔、ファンからは大きな拍手を浴びて「ちょっと泣きそうだった」と安堵の笑みを浮かべた。

苦悩の1カ月超だった。普段は休日返上で打撃練習を行うが、交流戦後の休養日は「いったんリフレッシュしたい」と2日間、バットに触らなかった。西武時代も含め本塁打の映像をとことん見返した。

自身の調子とは対照的にチームは首位を快走。小久保監督は「チームが苦しい時に打ってくれればいい」と4番の背中を押していた。山川も「順調なうちに早く自分の打撃を取り戻したい」と語り、シーズン折り返しの72試合目で飛び出した。

本塁打のペースは3試合で1本を理想とする。

8試合ほど快音が響かなければ「打ち方を忘れる」と言う。ただ、一発が出れば「それがまぐれでも感覚が残って、また乗っていける」。久々に味わった感触が山川をよみがえらせるだろう。


〜7/3付サンケイスポーツより抜粋〜