待望のプロ初勝利を挙げたオリックス・斎藤響介投手(19)は、受け取ったウイニングボールを大事そうに両手で握りしめた。敵地の巨人戦で5回を単打1本の無得点に抑え「小さい頃から見ていた選手がいっぱいいたので、うれしい気持ちでいっぱい」とはにかんだ。

岩手・盛岡中央高からドラフト3位で入団して2年目。テイクバックの小さいフォームから投げ込む速球と鋭いフォークボールを武器とする本格派だ。四回は先頭から四死球を与えても、坂本を空振り三振。後続も寄せ付けず「ピンチで強気に投げられたのが良かった」と胸を張った。オリックスの10代投手が交流戦で巨人から白星を挙げたのは、2018年6月3日の山本由伸(19歳9カ月、救援)、21年6月9日の宮城大弥(19歳9カ月、先発)に次いで3人目だ。

昨年9月にデビューし、飛躍が期待された今年は3月17日のヤクルトとのオープン戦で2本塁打を浴びた。ベンチで人目をははからず号泣。降板後、中嶋監督から「頑張ってきて」と優しく背中を押され、スイッチを入れ直した。

2軍では、プロ入り後にほとんど投げていなかったカーブの練習に取り組んだ。腕を縦に振る意識づけとなり一番の武器とする直球の力強さを取り戻した。4月28日の今季初登板から4戦目の今回を終えて防御率は0.47。チームに今季初の4連勝をもたらした。

今季の目標に掲げてきた1勝目を達成した。次のステップを問われ「一勝ずつ積み重ねていきたい」と浮かれることなく答えた。


①19歳6カ月のオリックス・斎藤が巨人戦でプロ初勝利。10代投手が巨人戦でプロ初勝利を挙げたのは2022年5月29日の根本悠楓(19歳1カ月、先発)以来で、パ・リーグでは2人目。

②オリックス・西川が6日のDeNA戦から3試合連続で勝利打点を挙げた。3戦連続は、広島・小園海斗が今年5月7日の阪神戦−10日の中日戦で記録。オリックスでは20年のジョーンズ(8月21−23日の西武戦)以来4年ぶりで、日本選手では05年の北川博敏(4月25日−27日の楽天戦)以来19年ぶり。


◆斎藤についてオリックス・中嶋監督

「どのボールも集中して投げていた。どんどん経験して育っていってほしい」


◆七回2死満塁を好救援のオリックス・古田島

「一発出れば逆転。何とか(抑えたい)と思って頑張った」


◆2試合続けて一回に先制打のオリックス・西川

「ちょっとずつ良くなってきている。続けていければ」


◆2安打4打点のオリックス・頓宮

「(斎藤が)思い切って投げていたので、1点でも多く取れて良かった」


〜6/9付サンケイスポーツより抜粋〜