”打ち直し“でプロ初本塁打をマークした。6−2の四回1死二塁、日本ハム・水谷瞬外野手(23)が左中間へ1号2ランを放った。

三回の前打席では打球が左中間フェンスを越えて、その奥の柵に当たってグラウンドに跳ね返った。球場のルールではフェンスさえ越えれば本塁打だが、本人も、ベンチも、審判も越えたことに気付かず、二塁打のまま試合続行。次の打席で悠々とフェンスを越えるアーチを描き「しっかり打ち直すことができてよかった。最高です」と声を弾ませた。

三回の打席で筋力不足を痛感し、四回の打席に入る前にプロテインを補給したという。1ボールから大貫の144㌔のカーブを完璧に捉えた。

師匠と天国で見守る亡き恩人にささげた本塁打だ。ダイヤモンドを一周してベンチに向かうと、ソフトバンク時代に自主トレーニングを共にした松田宣浩氏の代名詞「熱男ポーズ」を披露。2020年に亡くなった元ソフトバンクの川村隆史トレーナーと初本塁打の際には「熱男ポーズ」を決める約束をしていたと言い、「4年越しになってしまった。感謝の気持ちを届ける思いでやりました」と感慨深げに語った。

チームは2位・ロッテにゲーム差なしの3位に接近。現役ドラフトでソフトバンクから加入した水谷はお立ち台で北海道のファンに向かって「水谷タオルが少なくと感じています。応援していただければ明日からの励みになります」とあいさつし、北海道の方言で「またね」を意味する「したっけねー!!」と叫び、喝采を浴びた。


〜6/3付サンケイスポーツより抜粋〜