西武・中村剛也内野手(40)が六回に国吉から2戦連発となる5号ソロを左翼席に運んだ。風速11㍍の強風を引き裂く一撃に、「打ったのはカットボール。1打席目、2打席目とふがいないバッティングだったので、打てて良かった」。これで通算476号となり、”鉄人“金本知憲(阪神)に並んで歴代本塁打ランキングでトップ10入りした。

ボールが飛ばないとの声が噴出する今季。実際、4月終了時点は157試合で143本塁打で、1試合平均0.91本。昨季の同時点では1.33本と数字が実証している。それでも、低反発球が導入された2011年に48本塁打でキングとなった中村はどこ吹く風だ。松井監督も「この風と関係なく入るからすごい。普通、あれだけ打球が上がると戻されるんだけどね」と感嘆した。

その秘密の一端が大阪桐蔭高時代。右手小指を骨折したことで、グリップの位置を低くしてバットを緩く持つようになった。これで上半身に頼ることなく、足→腰→腕の順に回転し、スムーズにヘッドを走らせることができているのだ。確固たる技術に裏打ちされているからこそ、年齢に関係なく4番を張れる。


①40歳8カ月の西武・中村剛が6日のロッテ戦に続く本塁打。西武(前身を含む)の40代選手が2試合連続本塁打を放ったのは初めて。これまでの年長記録は昨年の中村剛と栗山巧の39歳11カ月だった。


②西武で41歳以上のシーズン(その年に迎える満年齢)に5本塁打を放ったのは、1979年の野村克也(44=5本以来)。


〜5/8付サンケイスポーツより抜粋〜