誰よりも勝利を渇望していた。ロッテ・種市篤暉投手(25)が7回3安打無失点と好投。今季初先発だった3月30日以来の白星となる2勝目を挙げ、ホッとした表情を浮かべた。

「ふがいない投球が続いていたので、何とか七回まで投げられてよかった。本当に監督、コーチが親身になって相談に乗ってくれた」

4月な4試合に登板し0勝3敗。勝ち星に恵まれない中で、吉井監督や投手コーチに助言を仰いでセットポジションでの立ち方を変更。構える際に前のめりになっていた上半身を、背中重心の意識にした。すると制球力が向上し、前回登板で7つ与えた四球はこの日、1つ。風速10㍍を超える強風を味方につけ「風のおかげですごくフォークが落ちた」と6三振も奪った。

「流れを変えたかった」と『SENGA』と刺繍が入った赤色のグラブを初めて公式戦で使った。2019年オフにスポーツトレーナーの鴻江寿治氏が主催する合宿に参加した際、練習をともにした千賀滉大投手(現メッツ)から譲り受けたグラブだ。同じフォークボールの使い手として千賀に憧れをもち、登板試合は欠かさずにチェック。これまではグラブを自宅に飾っていたが、”パワー“をもらおうと持ち出した。

「比較的、小さくて使いやすい、(今後も)使うかもしれないです。でも、自分で作るかも」

チームは3連勝を飾り、勝率5割に復帰。エースとして期待される背番号16に明るい表情が戻った。


〜5/7付サンケイスポーツより抜粋〜