“準マダックス”だ。日本ハム・山﨑福也投手(31)が97球、3安打1失点、無四球でオリックスに在籍していた2017年7月10日の日本ハム戦以来、自身7年ぶり2度目の完投勝利を挙げた。

「七回の時点で新庄監督に『最後までいくぞ』と言われたのが一番うれしかった。今日は要所の真っすぐが良かった」

テンポ良し、制球良し。1失点したため、100球未満での完封を意味する「マダックス」は達成できなかったが、捕手のサインに首を振ることはほとんどなく、2時間11分の時短で試合を終わらせ、3勝目を手にした。

埼玉・所沢市出身の山﨑にとって、西武の本拠地ベルーナドームは“庭”だ。オリックス時代の昨季も同球場で3試合に登板し、計17回2/3で自責点3の防御率1.53。父・章弘さんが日本ハムの2軍バッテリーコーチなどを務めていたことで、所沢市立北小時代には同球場の外野芝生席で西武−日本ハムをほぼ全試合観戦。「新庄さん、(森本)稀哲さん…。ほとんど覚えていますね、当時の選手は」。試合後はチームわや離れ、母・路子さんが待つ実家に向かった。

2位を堅守した新庄監督は「(山﨑は)さすがやね。1000点満点。最高!」と最大級の賛辞を贈った。4月を14勝9敗1分けで終え、貯金は新庄政権最多の5。そして、指揮官の視線は6日からの首位・ソフトバンク3連戦に向けられた。「直接対決がむちゃくちゃ楽しみ。(年俸)700万円の(捕手)田宮君が(14億円超のクリーンアップを)どう抑えるか。快感を味わいたいですね」。今年のハムは一味も二味も違う。


①日本ハム・山﨑が97球を投げて無四死球、9回1失点の完投勝利。完投勝利はオリックス在籍時の2017年7月10日の日本ハム戦(完封)以来7年ぶり自身2度目。日本ハム投手の100球未満の完投勝利は2022年4月19日の加藤貴之(90球完封、対楽天)以来2年ぶり。

②前日の4月29日にヤクルト・ヤフーレが94球の無四死球完封勝利(対巨人)をマーク。球界全体で100球未満の9回無四死球完投勝利投手が2日続けて出たのは、2008年7月16日の横浜・小林太志(95球完封、対広島)→同17日の日本ハム・ダルビッシュ有(89球完投、1失点、対楽天)以来16年ぶり。


〜5/1付サンケイスポーツより抜粋〜