オリックスに今季2度目のサヨナラ勝ちをもたらしたのは、またも紅林弘太郎内野手(22)だ。3−3の延長十回。前を打つ好調の1番福田は申告敬遠てなり、2死二、三塁とした場面だった。やる気が空回りしかねない押せ押せの好機で、「考えすぎても駄目なタイプなので考えずに。きょうは集中できていた」という。11日にはサヨナラ二塁打を放っていた勝負強さを改めて示すように、チェンジアップを左翼線に運んで3連勝に導いた。

「上位を打ちたい」との意欲が過度に強かったためか、中旬まで打率1割台と低迷した。3失策を記録した13日の日本ハム戦後に丸刈り頭にして出直すと同時に「チームのために」という思いも取り戻したことで復調につなげた。3−0の九回に平野佳が追い付かれて突入した延長戦で、大ベテランの失敗を拭い去る殊勲打を見せた。

「サマーカット」と呼ぶ丸刈り頭はすがすがしく映る。歓喜の輪の中で次々と水を浴びせられ、中嶋監督から頭をつかまれて頭突きの手荒い祝福を受けた紅林は「うれしかった。髪の毛がなくなって、すごくボールが見えやすくなった」と舌も滑らか。乗ってきたホープとともに、チームも巻き返しへの態勢が整ってきた。


◆オリックス・中嶋監督

「(平野佳で追い付かれ)こういう日もあるとは思うが、3点はさすがにきつかった。本当はすっきり勝ちたかったが、それでも勝ちきったのは良かった」


◆7回無失点のオリックス・エスピノーザ

「真っすぐも変化球もしっかりコーナーに投げ分けられた」


◆今季初登板で1回無失点のオリックス・宇田川

「ほっとした。だんだんと状態は上がっている」


◆来日初勝利のオリックス・マチャド

「チームに勝つチャンスを与えることが仕事。ここまで良くできている」


〜4/25付サンケイスポーツより抜粋〜