負け知らずの男は今年も健在だ。オリックス・東晃平投手(24)が7回を無四球、ソロ本塁打による1失点という安定感で、2022年のプロデビューから無傷の8連勝。先発では1942年に10連勝した巨人・藤本英雄以来、82年ぶり2人目の偉業を成し遂げた。

「今年もいけるなって気持ちになれた。とにかく勝とうという気持ちで勝負できた」

150㌔台中盤を出した直球と約30㌔遅いカーブで緩急を利かせた。ツーシームも進化。右打者の懐に食い込む横の変化と、縦に落ちる変化を投げ分ける。後半戦だけで6勝を挙げてリーグ3連覇に貢献した昨季から投球の幅を一段と広げた。

初詣の西宮神社(兵庫・西宮市)で引いたおみくじは末吉だった。昨年も末吉。普段は験担ぎを「全然しない」と言うが、一致したことを「いいんじゃないかな」と吉兆に捉えた。チームの連敗を3で止めた右腕は負けない要因を「一人一人、球数をかけてもいいから全力で勝負しているのが一番」と分析した。

昨季活躍しても「1年だけでは終わらない」との思いで迎えた今季初登板。山本(ドジャース)が抜けた先発陣を支える一人と期待される中、「少し自信につながった」と声を弾ませた。


オリックス・東が2022年のデビューから8連勝を飾った。先発では明大から巨人に入団して1942年に10連勝した藤本英雄以来、82年ぶり。2リーグ制(1950年)以降では初めて。藤本は実働13年で200勝87敗、防御率1.90。76年に野球殿堂入りした。


【主力の自覚】

東は育成入団から7年目の今季、24歳で初めて開幕ローテーション入りを果たし、主力の自覚も芽生えた。七回、コルデロを追い込んだ後に捕手の若月のサインに何度も首を振った。昨季までは捕手任せで投げ込んでいたが、味方の攻撃中にはベンチで組み立てについて主張するようにも変わり、若月は「思うことを言ってくれるようになった」と目を細めた。


〜4/5付サンケイスポーツより抜粋〜