東日本大震災発生から11日で13年。岩手・一関一高卒の楽天・阿部寿樹内野手(34)が10日、日本ハムとのオープン戦(静岡)で3安打2打点をマークし、「被災地に野球でいいニュースを届けられるようにしたい」と誓った。

一回に1点を先制してなお2死満塁。バーヘイゲンの140㌔のツーシームを捉えて逆方向へ右前適時打を放つと、六回には左前適時打。八回は再び右前へ流し打った。

明大3年生だった2011年。地震発生時は東京都内の大学グラウンドで試合中だった。すぐに寮へ戻って家族に電話したものの「2、3時間は不通で不安だった」。親族は無事ながら、津波で甚大な被害を受けた東北地方の映像を目にし言葉を失った。

ホンダを経て中日に入団し、23年に涌井との交換トレードで楽天に移籍した。「いろいろあった。(震災が)なかったら今ここにいないかもしれない。分岐点だったと思う」。被災地にも足を運び「多くの方々が本当に苦労されていた」と気持ちに寄り添った。

昨年5月の岩手での公式戦は、2軍生活を送っていたため出場できなかった。今季も東北シリーズの一環で、7月3日にオリックス戦が組まれており「行けるように頑張る」と決意を固めた。


〜3/11付サンケイスポーツより抜粋〜