6月になってすぐの頃、年配のお客様が「今年は五月晴れがなかったな~。」と言って来た。

 

おや?五月晴れって梅雨の合間の晴れた空の事じゃなかったかな~と思ったのですが、うろ覚えだったので曖昧に返事をしておきました。

五月晴れとは?どういう意味?|ハルメク365

で、調べてみた。

 

やはり五月晴れ“梅雨の晴れ間”が本来の意味です。

それを使い始めたのが旧暦の頃で、旧暦※と太陽暦(今使っている暦)では1~2か月ほどずれているので、違和感を感じるのです。

※太陰太陽暦とも言い、月が新月になる日をその月始まり(一日)、満月を十五日と定めました。

しかし月の周期は29.5日(1年は354日)ですので、実際の季節と段々とずれてきます。

なので、暦と季節のずれがおよそ1ヵ月分近くになると閏月(うるうづき)を設けて調整して、例えば3月の頃にずれが一カ月近くに溜まると3月の後に閏月を差し込み、閏三月としました。

閏月は19年に7回ほどあったそうです。

 

昔から使われている季節の言葉は、旧暦の時使われていた物が多く、太陽暦になってもそのまま使われているので違和感が生まれ、更に温暖化の影響で気温が乱れているので、更に違和感を感じてしまいます。

 

旧暦の5月はさつき(皐月、五月)と呼び、太陽暦の梅雨の時期の6月にあたるので、五月晴れはまんま梅雨の晴れ間の事でした。しかし、今は太陽暦に合わせて5月の晴れ間として使っている方も多いそうです。

ちなみに旧暦の季節を継承している俳句では、今でも五月晴れを梅雨の季語として使っています。

 

旧暦からの季節の言葉は美しいのですが、今使うと混乱する場合もあります。

 

例えば「小春日和」を春の晴天を指すものは間違いで、「小春」は旧暦でいう晩秋から初冬にかけての時期のことを意味します。

小春日和は、秋から冬にかけて寒くなりつつある時期に、暖かく春のような晴れ間が広がる日の事を指します。

 

他に「爽やかな五月晴れ」というのは間違いで、“爽やか”は秋に使う季語で、春は““うららか”“のどか”を使うのが正しいそうです。

 

個人的に昔の言葉(季語、色、模様、月齢など)は美しく、それぞれに意味があって好きなので、昔ながらの使い方をしたいと思います。