平安時代の個人についての本はたくさん出ているのですが、権力争いなどの政治だけでなく、生活や文化などの載っている本が読みたくて、ずっと前から探していました。

 

作年の事、今年の大河が紫式部なので、平安時代の書物が出るんじゃないかとわくわくしていたのに、紫式部と源氏物語関連の書物ばかりでがっかりでしたが、平安時代の人物だけでなく、出来事や文化が描かれている本を見つけました。

しかし、思いの外忙しくて読まないまま年が明けてしまいました。

 

平安時代

まだしっかりと読んでいないのですが、ざっくり内容紹介します。

 

山城国(現在の京都府南部)への遷都から始まった、約四百年続いた平安時代の出来事を年表に沿って、政治、外交、社会、宗教、周縁(京都以外の地方の出来事)、文化、武士、戦乱に分けて、絵や写真を交えて説明されていてわかりやすい。

 

平安時代に入る直前の出来事から鎌倉幕府の始まりまで書かれていて、時代の変わり目がよくわかる。

 

まず平安時代になるきっかけの「乙巳の変:いっしのへん※」について書かれてあり、そこから天皇を中心とした国が作られていく。

中大兄皇子中臣鎌足が、天皇をしのぐ勢いを持った豪族の蘇我入鹿を暗殺した事件で、わたくしが学生の頃は大化の改新と習い、今は乙巳の変後の諸改革の事を大化の改新と言う。

その後中臣鎌足が藤原姓を賜り、天皇と結びつき権力を得ていく。

その後、平安時代の最初の天皇の桓武天皇が、平安京に遷都して、平安時代が始まる。

 

今年の大河の主役の紫式部のパトロンの藤原道長の家系図(大河は実際とは少し違う家族構成になっています)

本誌では歴史に沿った人物も取り上げられて、空海、菅原道真、安部の晴明、平将門、藤原道長等々の人物について詳しく書かれている。

 

平安文化にも触れていて、かな文字の発明について書かれていて、それを使った日本人の感情を表した、かな文字文学が完成して、その代表の源氏物語についてもかかれている。

 

歴史の事は知っていることが多かったですが、平安貴族の暮らしはとても面白かったです。

 

食事は主食の米の他、たくさんのおかずを食べた。

貴族の一生に行う儀式。

男女の衣装はドラマに出ているような感じで、香をたくのは衣装を洗わなかったからで、ヨーロッパ貴族と同じですね。

平安貴族の一日はなかなかに忙しそうです。

平安貴族のルーツ、住まい、官位のヒエラルキー、面倒くさい結婚へのシステムと意外に緩い恋について、貴族の娯楽、生活に欠かせない占い、妖怪や鬼について、平安京で暮らす人口の大部分の庶民についてが書かれている。

 

また、貴族の女性は幼い頃から和歌、文字、音楽(楽器)、ファッションセンス、会話の技術等々、幼い頃からハイレベルな教育をされ、家の為により良い家に嫁ぎ、子をなすことを求められた、はっきり言って家の道具で、これはヨーロッパ貴族も同じでした。

 

また巻末には天皇系図と藤原氏系図があり、カバーの裏には平安京の地図があって貴族の邸宅などがわかるようになっています。

 

これから色々出てくると思うのですが、この一冊があれば平安時代の諸々がわかるので、じっくり読みたいです。