紅霞後宮物語 中幕 愛しき黄昏
本編に出てきた主人公小玉に近しい人達の短編集。
ちょっとだけネタバレます。
「清喜と賢恭」
死期が近い沈賢恭を見舞う者達の沈痛な面持ちではなく、はつらつとした笑顔の楊清喜は、死ぬ前に話す事があれば聞くという。
少し迷っていると、清喜は半生なんかどうか?と聞いてくる。
ただでは話したくないというと、清喜の半生、小さい頃は今の反対の大人しい性格だったこと、大好きな兄の事、両親との確執、小玉との出会い、小玉が兄の恋人だった事を話し出す。。。
「梅花と麗丹」
元杏が部屋に入ると部屋の主麗丹が窓を開けてと言ってきた。
窓を開けると外には梅が咲いていて、杏は梅花を思い出す。
すると麗丹が杏を見て晩年の梅花に似ていると言う。
体調をきく杏に、麗丹はすぐにぽっくり逝きそうと返し、梅花が亡くなる前に杏に話したことを聞きたがる。
杏は梅花がどうして後宮に入ったか、麗丹と学友になったか、馬が合わない麗丹との事をどう思っていたのかを語りだす。。。
「雯凰と明慧」
明慧の息子納蘭誠は長い間馮王領にいて、王の警護官として重用されている。
明慧が命と引き換えに現王であり当時幼かった馮亮を守った事から、誠とは幼馴染として育った。
前王に後妻として嫁いだ雯凰と王の夫婦の様子を、息子の現王の亮が誠に話して聞かせ、明慧の生涯も、小玉との出会いも。。。
「後宮と小玉」
廃后になり都を離れ、甥丙とその嫁紅燕と暮らし、畑を耕す小玉に、甥の娘が呼びに来て家に帰ると、そこには誠と、奥に李真桂が薄雅媛の遺髪を持って訪ねて来ていた。
かつて小玉が皇后だった時に彼女のシンパだった紅燕、真桂、雅媛は後宮で良く話していた。
真桂がなぜに後宮に入ったか話し、数日滞在した後、雅媛の遺髪と真桂の髪は紅燕が預かり、小玉の墓に入れるそうだ。。。
懐かしかったです。
長かった物語もこれで終わりかと思い、最後まで読めてほっとしています。
どうしてバッドエンドのお話を選んだのか後悔しつつ、読み進められない事も多く、何度やめようと思った事か。
頻繁に本が出るのではないので、前に戻って読み返したり、何より中華物は登場人物の漢字がなかなか見つからない場合が多く、それは本当に嫌で、物語が長くなると、人が死に、新しく登場するので、それが段々面倒になってきました。
とは言え、今回は故人だったり、ずっと登場しなかったりの人達だったので、以前の楽しかった頃の物語を思い出して読みました。
小玉が部隊で仕えていた上官で、彼女が好きになった賢恭や、兄の彼女と知って、宦官になってまで小玉について行った清喜、小玉の無二の親友筋肉の塊明慧、後宮で小玉の身の回りの世話やアドバイスをした梅花、皇帝文林が小玉を無理やり皇后にした後、彼女を支えた紅燕、真桂、雅媛など、本当に色々あったな~と感慨深く思い出していますが、もう一度読む事はない気がします。