3月のライオン17

ちょっとネタバレます。

 

獅子王戦挑戦者決定トーナメントの桐山零くんと二階堂晴信くんの対局。

二階堂くんは、零くんの様子を観察しながらどう来るか推理するが、零くんはポーカーフェイスでありえない手を指してくるので、

彼女が出来たので腑抜けたんじゃないかと深読みして、じっくりしつけ直してやると意気込む。

二階堂くんはいつもと違う零くんがジャックラッセル※に見えてくる。

※イギリス原産犬で、無尽蔵の体力、100m10秒台の走りで猪の化身とも思われ、好奇心旺盛だが繊細で気性が荒い。

www.min-inuzukan.com からのジャックラッセル

スミス田中さんは別室で二人の対局の棋譜を見て冷や汗を流し、島田さんは自宅でげっそりする。

零くんのバラバラだった駒が次第にまとまっていくが、二階堂くんは流されず踏ん張るので徐々に体力を削られ、気づくと零くんに介抱され、タクシーで病院に向かっていた…「道~みち~③~⑧」

 

三月町、2月、三日月堂、職人さんが三時のおやつを毎日買いに来る。

近くの元布団屋の建て替えと聞き、あかりは14人分6000円、お茶付きで配達に行くことにする。

熱いお茶のサービスが大好評で、ペットボトル代もおやつにプラスして8000円、甘いものの他に持って行ったお稲荷さんを付けるように頼まれる。

次の日にはおやつのウーバーの他に、元布団屋の前でおやつの時間限定販売で、1本100円のお団子をお好きなたれに付け売り出すと、これが好評で近所の人が集まってきて、次の日は玉こんにゃくもプラスされ、それに便乗して、商店街の人達もお店の前で商品を安く売りだす…「あかりちゃんの大冒険①~③」

 

島田さんは二階堂くんの兄弟弟子で、持病を持つ彼を気にかけていて、自分の家を開放して重田さんと二階堂くんと零くんと時々研究会を開くが、次回の対局で零くんと当たる島田さんは、二階堂くんと零くんの対局の疑問について零くんに聞く。

するとスミスが来て次の土橋さんとの対局の対策を話し合う…「遠い音楽①~⑤」含む計15話。

 

今回も面白かったです。

 

表紙を見た時に、零くんと二階堂くんの表紙なら、二人で将棋を撃ちながらの過去回想があるに違いないと、そして2人のお話なら可哀想な島田さんのお話もセットであると思い、絶対笑えると思いました。

 

倒れた二階堂くんを、零くんが病院まで送って行った事で、ますます二人の距離が縮まって、「心友」になったようで、いつも孤独で友達に恵まれなかった二人なので、変な距離感になっていました。

 

島田さんは世話焼きで、重田さんにはいいように使われていますが、気を使い過ぎて胃薬常備の人で、研究会の話になると気の毒でなりません。

 

おまけに長いこと付き合った恋人は、棋士としての伸び悩みの時期に別れた事をを引きずりがちで、なかなか帰れない故郷からは毎年芋煮会の写真が届き、その中に子供を連れた笑顔のかつての恋人が映っているからちょっと気まずい。

 

あかりさんはアイデアウーマンで、親切心での配達だけでは済まさない、商魂たくましい女性ですが、みんなを笑顔にする商売で、三日月堂は安泰です。

 

いつもお話の間にある棋士の「先崎学のライオン将棋コラム」が面白く、マンガに合わせたリアル棋士のお話を書いてあります。

 

今回はライバル、研究会での食事、戦法の流行が書かれていて、面白いし勉強になります。