すっっっっごく久しぶりのケーキ王子~です。

 

ケーキ王子の名推理6

ちょっとネタばれます。

 

クリスマス時期、洋菓子ヲタクの女子高生有村未羽は、同じパティスリーでバイトする彼氏の最上颯人と、スイーツの食べ歩きのとある店で、美羽は颯人にアドベントカレンダーをもらう。

「1」で始まり「24」まであるクリスマス専用のボックスになっているカレンダーは、日付の場所を1日ずつ開けながら、クリスマスまでの日々を楽しむ物だが、カレンダー自体は市販の物だが、中には颯人が考えたものが入っているという。

毎日ひとつずつ開けることが美羽の楽しみになったが、颯人から「最後の24日には当日使うものが入っている」とLINEが届く。

 

親友の悠希の家にお邪魔した時の事、母がお正月に(従兄の)こう兄が来ると告げられた時、一瞬動揺を見せた悠希に、美羽は気づいてしまった。

そして、美羽が以前から悠希の想いを知っていたと話すと、彼女はぽつぽつとこう兄について話し出す。

そして悠希は諦めの苦笑を浮かべる。

 

美羽のバイト先のパティスリーでは、颯人がWPTC(ワールド・パティスリー・チーム・コンペティション)、いま世界で最も権威あるパティシエの世界大会に、出場をかけた一次審査の結果を颯人とスマホで確認すると、無事颯人が通過したことを知り喜ぶ美羽だが、当の本人はいたって冷静で、擬音にすると「すーん」で、一緒に喜びたかった美羽はちょっと不満だったが、店主の青山に報告すると彼も颯人と同じ反応だった。

ちょうどスマホに、颯人と同じ大会に出場した大広連から連絡が入り、彼も一次審査を通過したとの事。

颯人は飴細工、漣はチョコレート細工部門、それぞれの部門から1位を選び、日本代表となり世界と競うことになる。。。

 

アドベントカレンダー、ミゼラブル

パンケーキ、ボン・ヌフ

 

今回サクサクっと読めました。

 

いつも当時の自分を思い出しながら読むんですが、目標にまっすぐに進んでいく若者はそれだけで眩しいです。

 

これからやってくるだろう、山や谷を悩みながら乗り越えて行く姿にはエールを送りたくなります。

 

美羽と悠希も進路を決める時期になって、現実を見ないといけなくなって、颯人が将来を見据えて着々と進んでいるのを見るのはちょっと焦ってしまいますね。

 

そんな中、美羽も将来に繋がる食レポのライターと言う足掛かりを見つけた事は、颯人に追いついた感で嬉しいのでしょう。

 

大会で、颯人の納得いく作品じゃなかった事を、突然やって来た巨匠デシャン見透かされた時の色々ない混ぜな感情を、美羽は目の当たりにする。

 

後に美羽が初仕事でより力を入れた記事よりも、有名ブランドとのコラボスイーツの記事の方が反響があった事実を知ることによって、颯人の気持ちが理解できた事は良かったし、二人の絆もより強くなった気がします。

 

そして美羽はプロのライターがどのようなものかを少し知って、また一つ大人になっていくのでしょう。

 

もう一つ、ずっと美羽にちょっかい出していた漣を好きな超お嬢様に懐かれて、アドバイスしたことが良い結果に結びついて良かったです。

 

今回の颯人が「名推理」するお話の、フラれた女性が閉店直後にパティスリーに来て、色々話すようになり、、マンションの前で記憶喪失の怪我したロシア系男子を拾い、彼の不可解な行動を相談されたのですが、長くなるので割愛させていただきました。

 

今はぴんと来ないクリスマスの物語ですが、この調子でいくとあっという間にやってくるんだろうな~と考えて、年末に向けての色々に想像がいって、ちょっとがっかりしてしまうのでした。