買い取りで「夏色ランデブー」の河内遙の描いた「関根くんの恋」が入荷されたので、店員の特権でクリーニングしつつパラパラと見て即買いニヤリ

 

関根くんの恋

1484639168522.jpg

少々ネタバレしているので気をつけたまえうさ・ペコ

 

世にも稀なる残念な男関根圭一郎30歳、好きなものはメロンパン。

仕事ができて、スポーツもかる~くこなして、モデルのようなスタイルで超絶イケメンのモテモテ男。

しかし、何にも興味が持てず、周りに流されるがままに生きている。

普段ポーカーフェイスで笑わず、何を考えているのか不明だが、時々勝手に涙が出る。

女子に押し倒されることも多々あり、付き合ってと言われれば付き合い、別れようと言われれば別れる、ただ時間が過ぎるのを待つだけの受け身生活が長いため、色々とこじらせて非常に面倒臭いネガティブ男に仕上がっている。

ある日、唯一の親友 同級生の紺野に合コンに誘われ、今日こそは断ろうと彼に会うも、結局既婚者の紺野が浮気しないかを見張り、家まで連れ帰る為について行く。

紺野の妻数音は先輩で、拒食症を患っていた高校の時に見た、彼女の白くて細い手が異様に怖くて、未だに会うと心がぞわぞわとするくらい苦手。

合コンで関根狙いの女子たちが問答無用の質問攻めの中、自分が流されるままに何かをして、興味を持ったことがない空っぽだったと気づく。

取り敢えず何か始めてみようと調べ、手芸用品屋さんに入ると、店番のおじいさん(以下師匠)に何故か1芸千円で手品を習うことになる。

しかし、師匠が突然旅に出てしまい、関根はなぜかその孫如月皿(以下サラ)から手芸を習うことになる。

サラは関根の様子から、彼を若年寄の情緒不安定と位置づける。

元々世話焼きなサラは、数音が苦手なのは好きの裏返しだと見抜き、長年の片思いにケリを付けるように言う。

自覚のなかった関根は酷く狼狽え、紙袋いっぱいにリリアンを作りサラに問うも、彼女は関根のことを自分の気持ちに無責任で、とっても不憫だと、自分を大事にしてと涙ながらに言う。

関根は自分の気持ちを持て余しつつ、数音が妊娠した事を聞き、サラの助言で靴下を編むことにするが、元々器用な彼はすぐに作ってしまう、それもたくさん。

で、次にとサラに言われあみぐるみ(サラがコタロータと命名)を作り、彼女に絶賛された関根は自宅で大量に作ってしまう。

ある日、飲み会に誘う紺野に付いていくも合コンで、そこに参加していた紺野の同期の堂島に興味を持たれる。

堂島は紺野に関根のリサーチをして、手芸用品屋さんに行きサラと懇意になる。

大量に作ったコタロータをサラに渡しに行くと、そこには堂島がいて、関根は何も言わずに去る。

サラの周りに堂島がウロウロしだしてから、さらに関根は情緒不安になり、彼女に突っかかったり謝ったり、自分でも訳がわからなくなる。。。

 

女子の経験は数え切れないほどあるハイスペック男子なのに、自分の気持ちに関しては全く残念な男で、サラに恋したと自覚してからの行動が、中学生もしないだろってくらい初心で、本当に不憫になるわ。

 

残念な受け身人生を歩む関根くんが出来上がるきっかけになったのが、小学校の時の音楽の先生に、パワハラ的な八つ当たり的な体罰を受け、早く終るコツは抗わないことと強く学習してしまった為って、この事が関根の人生を左右することになって本当に可哀想。

 

堂島が巧い事サラにちょっかい出して、サラも関根に惹かれつつ、関根には似合わない自分なんかと気持ちにブレーキをかけているからややこしくなるのです。

 

一晩でセーターを作っては、何かあると解き、作っては解く様が、解いたびよびよの毛糸を見ていると、まるで関根の心とリンクしててきて、わたくしため息が出ます。

 

元々間の悪い関根のこと、意を決して前に進もうとしても邪魔が入ったり、不測の事態に巻き込まれたり、サラが勘違いをして拒否られたり…それでもなんとか頑張ろうとする姿にイライラを通り越して応援してしまう。

 

最後に関根くんの恋が実って本当に良かったと、おばさんエールを送りたいです。