まだまだ初心者 | たまたまや、ゆうねん

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エフタマの応援ブログです(エフタマ非公認)。

お嬢さんがガールズサッカーで頑張っていて、ご自身はかつて高校サッカーで鳴らしたというお父さんと歌舞伎町で飲みました。肴は高いだけで大したものはなかったのですが、焼酎の種類は豊富でした。いやいや、そんな話はどうでもいいんです。

一般論として、
「小学生の頃は、少年団でエースストライカーだったり、DFの要だったりの中心選手で、それでもチームの成績としては、ある一定以上の結果が出ず、<<上手い子たちだけで、つまりレベルの高い集団でサッカーをやりたい>>と熱望して、ジュニアユースでは強いクラブチームに進もうと、あれこれ受けて、念願のチームに入れた。さて、そこでやってみたら、<<あのオレ様が控えだ、いや控えどころではないBだCだDだ>>という現実にぶち当たります。中1・2前半のうちは、<<身体が大きくなれば展開も変わるはず>>と諦めず頑張るんですが、中2の後半にもなると、U-15の基本編成が発表され、そこでレギュラーはもちろん控えからも外れ……という現実にどのチームも半数の子たちは相まみえることになります。そこで多くの子たちは、きっぱりやめて勉強に切り替えたり、半ば土俵を降りて勉強の比重を上げていく……」
というような話をしていたら、そのお父さんはきっぱりと言い切りました。
「小学時代はもちろん中学時代も所詮、初心者のうちです。ボールを止める、運ぶ、蹴るがしっかりできていれば、なんの問題もありません。要は足元の技術ですね。欲を言えば、<短く速く走る>もしくは<いつまでも走る>ができていれば十分です。勝負は高校です。身体の縦の成長が落ち着き、筋力が発達し始め、知能も開花し始める。この高校の時期こそが勝負です。今の子達は、ジュニアやジュニアユースなんていうまだまだ幼虫のような時期に<あの子より下手だ>とか<この子には勝てない>などとつまらない理由で見切りをつけすぎです。成虫になる前にサッカーを諦めてたら(気持ちを切ってしまったら)永遠に最高の自分には出会えません。少年団時代はエースだったから親も毎試合見に行く。ジュニアユースになったら控えでゲームに出ないから見に行かない。そういう親のテンションの下がり方も子供を傷つけ、自分の可能性や未来に蓋をしてしまうことになっているようです。ゴールデンエイジとかシルバーエイジという言い方も気に食わない。リフティングやシザーズや細かいタッチのドリブルをサクッと身につけるのによい時期というくらいの意味しかありません。リフティングチャンピオンはリフティングのチャンピオンなのであって、サッカーのチャンピオンではありません。スピード・スタミナ・フィジカル・戦術理解・状況判断……総合的に伸びるのは高校3年間です。ここでサッカー選手としての自分を最高に伸ばすのです。人との比較ではありません。比較していてはキリがありません。上には上がいます。自分の技術を自分史の中で最高に持っていくのです(大学でも更に伸びますから、本当は、最高の手前くらいですが)。国学院久我山高校は200人も部員がいます。レギュラーは11人。準レギュラークラスが11人。控えが11人として、トップ33人に入らないとAチームの公式戦に出る機会などないでしょう。でもそんなことは関係ありません。193番目の選手でもいいんです。<最高の自分>に出会えれば、そのサッカー人生は勝ちです。自分史上最高の選手である状態に持っていく。それを達成する前にやめてしまったり、<オレには才能がない>と勝手に見切ってしまうのは、本当にもったいない。社会人になって会社や街のサッカー同好会などに顔を出せば、若いのから偉い人まで、20代から50代までが混ざってサッカーをするというようなこともあるでしょう。その時に、スターになることの方が大事です。サッカーで飯を食うとか、サッカーで大学に行くとか、サッカーを手段にしたらやがて挫折します。サッカー上達だけを目標にするのがノンストレスでサッカーに向きあえます。そしてそのほうが、大成功を収める可能性が高いのです」
熱く熱くお話してくださいました。
とても大切なことを伺えたような気がしました。