うちには黒のトイプードルがいる。名前は「ノアン」。年は4歳。体重3Kのおちびちゃんだ。
結婚して何年も僕たちは子宝に恵まれなかった。正直、僕はあきらめていた。
せめて僕は、奥さんが愛情を注ぎこめる「何か」を、手に入れて欲しかった。
子犬を飼うことを提案したのはそんな思いからだった。
程なくして我が家に一匹の黒いトイプードルがやってきた。
家にやってきたその日、おそるおそるケージを二人で覗いていたの覚えてる。
そしてなぜかその直後に僕たちは子宝に恵まれた。
そのせいですぐにノアンは僕の実家に預けられた。
複雑な環境の変化のせいかノアンはちょっと気難しい子になってしまった。
今でも娘や僕たちを噛む。血が出るほどに…
何かをとても怖がってるように見える。臆病だから過剰に反応してしまうのだろうか。
だけど今日も僕はノアンと散歩に行く。君は大事な家族の一員だし、
きっともうだれも居なくなったりする事が無い事を解って欲しいから。
行こう ノアン! 今日もきっと暑いぞ~