22日のアジア通貨市場では、政策金利が今週引き上げられるとの観測を背景に、フィリピンペソが上昇している。ドルが幅広く売られ、リスク資産への回帰もみられるなかで、そのほかのアジア通貨も全般的に上昇している。しかしアジアの一部中銀が介入を続けていることから、上昇は限定的となっている。

 ディーラーによると、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイの中銀は、自国通貨の上昇を抑制すべく、ドル買いを実施したもよう。


 アナリストによると、たとえ介入がなくとも、投資家はアジア通貨の一段の上昇には依然として慎重。市場では、福島原子力発電所での事故や中東の混乱、アジア域内のインフレ懸念が引き続き注視されている。


 


 フィリピンペソPHP=PHP=PHは、対ドルで0.5%上昇している。


 フィリピン中央銀行のテタンコ総裁は21日、中銀はインフレ期待の管理を重要視していると述べたうえで、インフレ率がターゲットを突破して上昇しない限りにおいて、経済成長を支援するとの意向を示した。




 タイバーツTHB=は、対米ドルで11週ぶり高値に上昇。リアルマネー筋からの需要と、輸出業者がドルに対して依然弱気になっていることがバーツを支援した。


 バーツTHB=THは一時、1月5日以来の高値水準となる1ドル=30.07バーツまで上昇した。


 ディーラーによると、30.25バーツ付近からタイ中央銀行がドル買い介入を行ったもよう。ただしトレンドが反転することはなさそうだという。


 バンコクのディーラーは「(中銀の為替介入が)ドル/バーツを押し上げるとは思えない。中銀ができるのは(ドルが)急落しないよう支えることだけだ」と述べた。




 韓国ウォンKRW= は対米ドルで強含んだ。ただしエネルギー会社や国営企業などの輸入業者からのドル需要が、1ドル=1120ウォン水準を超えて上昇することは阻んだ。


 市場は外為当局によるウォン高抑制介入を警戒しており、ウォンKRW=KFTCが1ドル=1120ウォンの水準を突破するとみる投資家はほとんどいない。


 投資家はまた、日本の状況を注視している。


 経済面では、韓国の3月の輸出が21日時点で、前年同期比27%増となった。輸入の伸びがそれを上回ったことから、貿易収支は23億2000万ドルの赤字となっている。


 このほか現代重工業が、英石油大手BPから石油・ガス生産用の海上プラットフォームを建設する6億ドルのプロジェクト受注に成功したと発表し、ウォンの需要が増えるとの期待が高まった。

アジア通貨市場は、各国中銀がインフレ抑制に

注力するとの観測を背景に堅調となった。


 シンガポールのロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の新興市場国通貨


・金利ストラテジストのPin Ru Tan氏は「輸入インフレ抑制に向け、大半の国は自国通貨


の一段の上昇を容認しているようだ」との見方を示した。


 欧米諸国によるリビア攻撃で中東情勢が悪化するとの懸念から原油価格が上昇するなか


、中銀はインフレ抑制により積極的に動く、とアナリストは指摘する。


 


 シンガポールドルSGD= SGD=D3は対米ドルで1.2700シンガポールドルを割り


込みシンガポールドル高が進んでいる。


 市場参加者によると、当局によるシンガポールドル高抑制に向けた米ドル買い介入はま


だ実施されていないもよう。


 


 インドネシアルピアIDR= IDR=IDは、輸出業者の決済需要を背景に、対米ドルで4


年ぶり高値を更新。一時は2007年5月以来の高値である1ドル=8725ルピアまで


上昇した。


 これより先にインドネシア財務省当局者は、同国が2011年に発行予定のグローバル


債券におう盛な需要が見込まれると語った。


 ディーラーは、中央銀行によるドル買い介入は当初はみられなかったが、その後一部の


国営銀行がドル買いを行ったもようだと述べた。




 マレーシアリンギMYR= MYR=MYは対米ドルで0.5%上昇。インターバンク市場の


投機筋が、原油高を受けて積み上げたドルのロングポジションを解消する動きが出た。


 また、中央銀行がさらなる通貨の自由化に踏み切るのではとの憶測もリンギの支援材料


となった。


 トレーダーによると、中銀が23日に年次報告書を発表する際に、オンショアのスワッ


プ取引でドル/リンギをショートすることを容認するとの思惑が広がっている。


 ドル/リンギは、いったん3.0380リンギを抜けてしまえば、次は3.0330リ


ンギ付近に抵抗線が形成されているようだ。




 韓国ウォンKRW= KRW=KFTCは、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の発言を受


けたオフショアのヘッジファンドの買いや輸出業者の決済需要が上昇要因となった。バフ


ェット氏が先に、韓国での投資機会を探していると発言したことが材料視された。


 ただし、リビア情勢をめぐる懸念で原油価格が上昇したことから、上値は限られた。


 外国銀行ディーラー(ソウル)は「バフェット氏のコメントはオフショアの参加者によ


る(ドル)売りと地元投資家によるショートプレーに駆り立てたが、(ドル/ウォンの)


下落余地はほとんどない。依然マイナス材料もあり、輸入業者は押し目買いの機会を探っ


ている」と述べた。

18日のアジア通貨市場は、韓国ウォン主導で上昇。7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が円高阻止に向けた協調介入で合意したことを受け、投資家がドルの買いポジションを縮小した。ただ、アジア通貨の上昇が続くかどうかに関して投資家は懐疑的な見方を示している。

 


 スタンダード・チャータード銀行の外国為替調査部門グローバルヘッドのカラム・ヘンダーソン氏は「すべてが日本の原発の状況にかかっている。この問題がすぐに安定しなければ、介入は無駄になる」と指摘した。




 ドルの買いポジション解消や、造船会社など輸出業者の決済に伴う需要から、ウォンKRW=KRW=KFTCは対ドルで上昇。


 市場筋によると、海外勢が損切りを目的に円の買いポジションを解消したとみられ、ウォンは対円JPYKRW=Rでも4.5%超上昇した。




 ペソPHP=PHP=PHPDSPESOも他のアジア通貨に追随した。


 シンガポールドルSGD=SGD=D3も上昇。シンガポール金融管理局(MAS)がこれまでに介入していたとみられる1ドル=1.2700シンガポールドルの水準を試す展開となっている。


  

17日のアジア通貨市場は、日本の原発危機への懸念が高まるなか、投資家のリスク回避の動きから下落。アジア各国の通貨当局は自国通貨の下落を抑制するため、介入したもよう。

 市場筋によると、韓国銀行(中央銀行)は、ウォンが対ドルで2カ月半ぶりの安値に下落したことを受け、ドル売り介入を実施したとみられる。


 また、フィリピン、インドネシアの中銀や、シンガポール金融管理局(MAS)も介入したもよう。


 サムスン・フューチャーズの通貨ストラテジストは「アジア諸国、特に韓国のようにインフレが問題となっている国は、自国通貨の下落を防ごうとするだろう」と指摘した。




 ウォンJPYKRW=Rは対円で一時14.7144ウォンまで下落した。


 対ドルKRW=では1.2%下落し1144.0ウォンと、昨年12月29日以来となる2カ月半ぶりの安値をつけた。




 フィリピンペソPHP=PHP=PHは0.6%安の1ドル=44.01ペソと1カ月半ぶりの安値をつけた。


 

16日のアジア通貨市場は、シンガポールドルとマレーシアリンギ主導で上昇。アジア株の反発を受け、短期投資家がドルの買いポジションを縮小したことが背景。ただ、日本の原発事故の状況が悪化しているとみられることから、アジア通貨の上昇が持続可能かどうかは依然として不透明な情勢となっている。



 シンガポールドルSGD=SGD=D3は、日本株の反発を受けた投機筋の買いから上昇。前日には対米ドルで1.2%下落し、昨年11月23日以来の大幅な下げとなっていた。




 リンギMYR=MYR=MYも上昇。輸出業者の決済に伴うドル売りを見込んで、短期投資家がドルの買いポジションを縮小したことなどが背景。




 韓国ウォンKRW=KRW=KFTCも、輸出業者の決済や、国内投資家によるドルの買いポジション解消を背景に上昇している。


 ウォンは一時、日本の原発事故をめぐる懸念の高まりから下落していたが、その後、インフレ抑制に向けた当局のドル売り介入懸念から、持ち直している。




 フィリピンペソPHP=PHP=PHは一時、上昇していたものの、日本をめぐる懸念が圧迫要因となり、対ドルで約3週間ぶりの安値水準で推移している。


 ペソは一時1ドル=43.94ペソと、フィボナッチ・リトレースメントで1月から3月までの上昇の50%戻しの水準に当たる43.97ペソにある支持線に近い水準まで下落した。