ウルトラソウル(134) | ここは、たまるんち

ここは、たまるんち

劇団天然工房のタマルだいすけです。@tmrdisk1

ある日の午後7時
稽古場

着替えてる者

ストレッチする者
そして
音楽が流れている

いつもと変わらぬ
稽古前の風景

ふと
誰かが
何かを言った

音楽にかき消されて
よく聞こえなかった

いや

それとも
誰も
何も言ってなかったのか

空耳?

回りの劇団員は特に変わらず自分事を続けている

やっぱり気のせいかと思った瞬間

音楽がフェードアウトして谷へ向かったすぐ後から

今にも消えそうな声が聞こえてきた

松田の声だ

「楽釜行ってきた」

楽釜?今、楽釜って言った?

楽釜だ

劇団員瀬戸と塚本が
イナズマのような早さで
反応した

そう
楽釜とは彼らがよく足を運ぶという
うどん屋

(つづく)