満足

 昨日のことになりますが、ケニー・ウーテンボガードさんが
修理完了の金時計を受け取りに来ました
さっそく時計を腕にはめて満面の笑顔です

 今年の春に修理を頼まれたものでちょうど2日前に完成し
帰国に間に合いました

 この金時計は彼にとっては本当に宝物で思い出の品です。
この後の写真のように1979年の第2回世界大会の折に
大山倍達館長から特別に頂いたもの
世界大会に選手として来日したものの母国南アフリカは当時
アパルト政策のため国連から制裁を受けており国際大会に
参加できない事情がありました
落胆し無念の思いで沈んでいた彼を大山館長は館長室に呼び
「自分の力が足らず出場させてやれなくてスマン」と云って
この金時計をプレゼントしてくれたと云う歴史があります
彼にとって生涯の宝物です

 壊れて一度は修理したもののまた壊れてからはもう治らないと
諦めていたそうですが、最後の望みを託された修理でした

 しかし、当時大山館長はなんと豪華な時計を用意していたので
しょう 今では考えられません 本物の金時計ですからね

before

 動かない時計をお預かりした時の写真
何故か「曜日」の窓に表示がありません なんで?


before-back

裏側の記念文字です

before1

なんだか針の様子も変?

交換部品

修理から戻ってきた交換された旧ムーブメント、なるほど
もちろん社外品、一応フランスの時計のムーブメントらしい
のですが製造は「中国製」、曜日表示のないこんな部品に
交換した乱暴な修理にびっくり!
もちろん部品をすべて純正品、精工舎(SEIKO)に交換

針

 針の取り付け部もムーブメントの軸口径に合わせるために
広げられていた

after1

修理が終わった時計の裏蓋

after

 After 修理が終わりきれいに磨き上げられた時計
新品の頃の輝きを取り戻し静かに時を刻み始めています
当店は時計の修理は致しませんが修理のための
手配は可能です(笑)
有能な時計職人が身近にいて助けられました
ケニーの願いを叶えられて私も嬉しい