ミーハーな私は最近話題の勝間和代さんの新刊はご他聞に漏れずamazonで予約注文をしまして、

「日本を変えよう」のほうはまだ読了はしておりませんが、ちょっと気になる部分(p103~)
があったので恐れ多くも勝間さんにトラックバックしてみます。



勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan
勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan

■グラミン銀行は日本のサラ金もびっくりの高利貸し!


西村「(中略)グラミン銀行はすごいいいな、もしかして何とかなるのかも」

勝間「(中略)グラミン銀行できますか、っていうとできないんで。そこをもう少し考えないといけないと。」

という記述部分について。

このやり取りを見ていると、日本でもグラミン銀行ができれば女性の社会進出の一助となる、というように受け取れますが、はたして本当にそうなるかは多少吟味が必要です。

語弊を恐れずに言ってしまうと、グラミン銀行は日本のサラ金も目じゃないほどの超高利貸しです。

なんと金利は20%だそうです。


(参照:  http://www.grameen-info.org/index.php?option=com_content&task=view&id=26&Itemid=175  )

13.0 Low Interest Rates Government of Bangladesh has fixed interest rate for government-run microcredit programmes at 11 per cent at flat rate. It amounts to about 22 per cent at declining basis. Grameen Bank's interest rate is lower than government rate.

There are four interest rates for loans from Grameen Bank : 20% (declining basis) for income generating loans, 8% for housing loans, 5% for student loans, and 0% (interest-free) loans for Struggling Members (beggars). All interests are simple interest, calculated on declining balance method. This means, if a borrower takes an income-generating loan of say, Tk 1,000, and pays back the entire amount within a year in weekly instalments, she'll pay a total amount of Tk 1,100, i.e. Tk 1,000 as principal, plus Tk 100 as interest for the year, equivalent to 10% flat rate.


ただし、注目すべきは借り入れコストが20%という日本では超高金利なのですが、当のバングラデシュでは「Low Interest Rates 」とされていることです。このバングラデシュという国では、年利100%、200%が普通だそうで、それに比べるとまだ良心的なのだそうです。


http://fp2web.fc2web.com/guramin.html


年利20%という高利でも成り立つのはなぜか。


これはバングラデシュが高インフレ率だからだと思います。


(バングラデシュ政府コメント 2008年~2009年)

http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/content/yosan2008-2009.html

新年度の経済成長は6.5%を、また、中期的(09年度から11年度)な経済成長は7~8%程度を見込んでいる。インフレ率は9%を見込んでいる。



■日本でグラミン銀行のビジネスモデルは成功するか!?


これを日本でやろうとすると、融資を得たい女性に対して

①20%までではないにしろ、高利で女性等に貸付を行う。

②民間銀行の通常の融資より低い金利で貸付を行う。


の2つのスタンスがあると思いますが、私にはどちらもなかなか

難しいのではという気もしています。


というのは、


①高利を維持 ということになると、結局サラ金と大差なくなってしまうのではないか、

多重債務者を増やしてしまうだけなのではないか、という危惧があること。


②民間銀行の通常の融資より低い金利 ということになると、そもそも採算ラインにのらないのではないか。

バングラデシュでも、他の金融機関より低いといっても20%の利率を設定していたから

成り立っていたビジネスであり、日本で通常組むようなローンなどは金利が3~5%ほどですから、

これより低い利率となると、信用力の低い個人が無担保で借りるということだと貸し倒れリスクも

通常より高いでしょうから、採算ラインにのるか微妙なラインになってくるのではないでしょうか。



・・・とは言うものの、グラミン銀行の精神、基本理念自体は立派だと思いますし、

消極的な批判ということではなく、日本でやるとしたらこういう課題があるのではないか、という

問題提起だということです。



■Web2.0的ウェブサービス:ソーシャルレンディングが始まっている!


勝間さんや西原さんがご存知かはわかりませんが、2007年頃からアメリカ発で

ピアツーピア金融(個人間金融、ソーシャルレンディング)という融資システムが

FacebookなどのSNSといったいかにもWeb2.0(古い?)なツールを用いて急速に伸びているそうです。


(詳細は以下の記事を参照)

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/abc/newword/080325_43rd/index.html

http://sociallending.7.dtiblog.com/

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0809/29/news018.html


マイクロクレジットのひとつの新しいかたちだといえます。


日本では、アメリカの大手P2P金融のプロスパーがSBIグループと提携して

事業化を検討しているところです。


実際に営業を始めているところ・はじめようとしている会社としては

私が知る限りでは以下の会社があります。

http://www.wikibank.jp/index.html

https://www.maneo.jp/

http://sbiprosper.co.jp/index.htm


個人間金融なんて、貸したお金が返ってこないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、

うまい仕組みづくりをすれば、意外と貸し倒れ率は低いようで、例えば大手サービスの米ゾーパの場合、

貸し倒れ率は0.2%未満だそうです。(日本経済新聞2007年10月28日:上記の日経BP記事参照)


SNSというコミュニティ性を生かした「連帯責任」「相互監視」の仕組みがうまく作用しているようですね。

私には江戸時代の政府による「五人組」制度彷彿とさせますが(笑)。

(五人組:Wikipedia)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E4%BA%BA%E7%B5%84_(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2 )



■鎌倉時代から日本にもソーシャルレンディングは存在していた!?


面白いのは、こういった個人や共同体が社会的弱者に貸付を行うというのはなにも

グラミン銀行やP2P金融に限った外国産の新しい概念ではないということです。


昔から、日本でも普通には借り入れする信用力のない個人が、地域コミュニティから融資を得る制度が

ありました。これは無尽、頼母子、沖縄県では模合(もあい、むえー)といわれています。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%BC%E6%AF%8D%E5%AD%90


地域コミュニティがほとんど失われている今、インターネットという仕組みを使ってまた

新しいソーシャルサービスのニーズがあるのかもしれませんね。