またぞろ筋の悪い予算要求が報じられている。
特会のお金をつかって基金を創設し、海外へ通信・放送に関するインフラ輸出を促進しようとする総務省の予算要求。
一見聞こえがいいが、結論から言えばやめた方がいい。
海外展開は民間事業者がリスクをとって行うべきものであって国が口を出すべき分野ではない。
そもそも、似たようなファンドが横行している。
例えば、国交省は、本年度、鉄道や空港のインフラ輸出を支援するファンドを立ち上げたばかり。
しかし各省縦割りなので、厚生労働省所管の上水道関連のインフラ輸出はできない。
だから各省がそれぞれに基金(ファンド)とそれを管理する組織(機構)を創設しようとする。
そして、それらは新たな天下り先となっていく。
私も戦略的なインフラ輸出を否定するものではない。手法がまずい。
本当に戦略的なインフラ輸出を支援したいのなら、国際協力銀行(JBIC)に総合的なインフラファンドを創設し、各省横断的な支援を講じるべき。各省がバラバラにやるべき話ではない。
行革担当大臣は何をしているのか。こんな予算要求が、数の論理でまかり通るようになれば、効率的・効果的な資源配分を妨げ、真の意味での日本の成長にはつながらない。
民間事業者もいたずらに公共セクターのお金に頼ることをやめるべきだ。
みんなが負担して集められたお金を政治力のある特定の事業者だけが活用できる仕組みの典型例だが、経団連はこうした予算を獲得するために献金を復活しようとしているのか。
農家へのバラマキなどは批判しながら、自分たちは公的なお金を使い放題。
考え直した方がいい。