厚生労働委員会で質問(150億円の基金は国庫に返納すべき) | たまき雄一郎ブログ

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平成26年3月14日の厚生労働委員会で質問に立ちました。その概要を以下にまとめました。入札公示前日の2月17日だけでなく、昨年12月の補正予算編成時から、発注者の厚生労働省は、独立行政法人JEEDの担当者と接触し、本件事業を受託するよう依頼する発言があったことが明らかになりました。完全な「出来レース」です。蓮舫参議院議員も予算委員会の集中審議でこの問題を取り上げましたが、問題の多い本事業については、執行を停止し150億円の予算は国庫に返納すべきだと考えます。なお、本日、民主党厚生労働部門会議は、150億円の返納を求める方針を正式に決めました。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140319/k10013087841000.html



1.「偽装入札」の疑い(12月9日の打ち合わせについて)


(玉木)前回の当委員会でのやりとりで、昨年12月9日に能力開発課長ら厚生労働省の担当者と独立行政法人JEEDが接触をしていることを田村大臣は認めた。さらにその際、厚生労働省側から「機構には認定審査等、業務の一部を受託していただきたい。」旨の発言があったようだが、これは事実か。公示前日どころか、そのはるか前の補正予算の閣議決定前から、JEEDに事業を落札することを働きかけていたとしたら、完全な出来レースであり、「偽装入札」ともいえる状況だ。





(田村大臣)求職者支援訓練等で訓練の認定審査の業務の実績やノウハウのある機構に対して、中央職業能力開発協会が委託先を募集した場合には、入札等に参加してほしいとの趣旨での発言だったと聞いている。



(玉木)議事録を読むと、明確に「受託していただきたい」と発言しており、大臣の説明には納得できない。真実のことを報告しているのか、3月11日の中間報告についても疑問を感じざるをえない。大臣は、3月11日までわかったものについては出すと言ったが、その中には、真実ではないものも含まれているのではないか。仮に調査結果に虚偽が見つかった場合、大臣は責任をとるのか。


(田村大臣)今まで言ってきたことが全て真実かどうか、それはまだわからない。第三者に入ってもらい、中身の、真意というものを確認していく。



2.「ゾンビ基金」(基金150億円の復活)


(玉木)麻生内閣における平成21年度補正で4800億円の基金を中央職業能力開発協会に積み、いわゆる「基金訓練」がスタート。しかし、急ごしらえのため、無査定で給付金を支給し、その一部が暴力団に流れるなどの問題も発生。その後、平成23年に、求職者支援法による「求職者支援訓練」に引き継がれた。ここで検査院に伺う。昨年10月、この基金から750億円の返却を求めたと認識しているが、事実関係如何。


(会計検査院)同基金の「基金訓練」終了後に残額が生じた場合、同基金の後継となる国直轄事業である「求職者支援制度」の財源として活用することとされていたが、活用されることなく開発協会が保有し続けた結果、752億3648万円が使用見込みのない額となっていたため返却を求めた。





3.「短期集中特別訓練事業」は執行停止すべき


(玉木)問題の「単会集中特別訓練事業」は、法律に基づき行われている「求職者支援訓練」の訓練期間を短くするなど、既存コースの多様化で対応できるはず。それなのになぜ、返還を求められた中央職業能力開発協会の基金に再び150億も予算を積んで行うのか。「短期注中特別訓練事業」は「求職者支援訓練」と何か違うのか。




(田村大臣)労働政策審議会の雇用保険部会で、求職者支援制度は、雇用保険で担う対象ではないのではないかという議論があったため、国庫でやらせていただいた。


(玉木)雇用保険の対象でないという意味では、既存の「求職者支援訓練」の対象者も同じだ。それよりも、12月9日のJEED議事録に「年度内の執行が困難だから能開協会に基金を積み、その財源により平成26年度にかけて訓練を実施することにしました」と書いてあるとおり、既存の訓練事業の予算を増額しても年度内執行ができないので、中央職業能力開発協会に基金を積み、年度をまたいで執行することが目的だったのではないか。


両者の制度の趣旨や目的は同じであり、本来であれば求職者支援訓練のコースの多様化・柔軟化の中で対応することが法的にも最も安定している。しかし、それを基金事業として、新たな枠組の中でやろうとした結果、様々な無理が生じたのだと考える。





これほどの問題が指摘されている以上、基金を使った本事業については執行を停止し、実施する必要があるなら、法律に基づく求職者支援訓練の制度の中でやるべきだ。補正予算で積んだ基金を使った短期集中訓練事業については執行停止することが、大臣としての責任の果たし方だと考える。大臣の所見如何。


(田村大臣)このスキームでやらせていただく。