決算行政監視委員会で質問に立ちました。 | たまき雄一郎ブログ

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63日の決算行政行政監視委員会で質問に立ち、原子力関連予算について質問しました。概要は以下の通りです。時間が少なく十分な質疑ができませんでしたが、引き続き、取り上げていきたいと思っています。


たまき雄一郎の挑戦記「世界の中心で政策をさけぶ」


たまき雄一郎の挑戦記「世界の中心で政策をさけぶ」



まず、独立行政法人原子力研究開発機構(JAEA)の予算について。



<学会等への不適切な年会費等の支払いについて>

平成23年度の支出のうち、JAEAから学会など公益法人への支出が約8500万円計上されていますが、そのうちの一つ「若狭湾エネルギー研究センター」への「年会費」の支出は3150万に及びます。そしてその中身は、一口10万円の年会費315口分です。通常、ある法人の年会費は一口で十分であるにもかかわらず、315口も支払っているのは明らかに不適切です。

まず、この点を指摘したところ、文部科学省も不適切であることを素直に認めました。事実、翌年の24年度予算では、3150万円の支出が、一気に一口10万円に激減されています(なんと99.7%もの削減)。また、文部科学省に、これほど大幅な削減をしても特に政策遂行上問題はないかと聞いたところ、ないとの回答。つまり、これまで、いかに無駄な予算が計上され続けていたかということが証明されたわけです。実は、この問題については、民主党が与党時代、同僚議員の花咲宏基議員が熱心に取り組んできた問題で、彼の改革意欲が具体的な成果として表れたものです。



<独立行政法人改革について>

あわせて、こうした支出を許し続けてきた独立行政法人制度および独立行政法人に対する運営費交付金制度そのものを見直すべきとの提案も行いました。これに対し、稲田行革大臣からは、改革を進めていくとの答弁があったと理解していますが、実際、独立行政法人制度には改善すべき点が多々あります。民主党政権時代には、独立行政法人改革法案を提出し改革に取り組もうとしましたが自民党政権になって、その改革が凍結されています。是非、安倍政権でも、独立行政法人改革を継続し、無駄を生み出さない制度に改めてもらいたいものです。私たちも、改革法案を議員立法として提出する予定です。



<「二社応札」問題について>

次に、原子力研究開発機構の入札問題についても質問しました。従来、JAEAの契約では、専門性を理由に、随意契約やいわゆる「一社応札」の比率が高かったわけですが、この点についても、民主党政権時代、入札改革を進め改善を図ってきました。しかし、まだまだ改革の余地が残っていると考えています。そこで、私が指摘したのは、「二社応札」の問題です。競争入札に付していると言っても、その中身をよく見てみると、二社のみが入札に参加し、その一方が落札しているケースが散見しているのです。しかも、その二社はともにJAEAから退職職員を受け入れている「関係法人」なのです。つまり、ある入札案件では、A社とB社のみが入札に参加しA社が落札する一方、ある集札案件では、同じようにA社とB社のみが入札に参加し、今度はB社が落札するといったパターンです。実は、原子力研究開発機構の天下りを受け入れている「関係法人」だけが参加した競争入札では、100%「2社応札」になっているのです。明らかに違和感があります。つまり、競争入札を行っても、結局のところ、JAEAのOBが天下りしている「関係法人」に仕事が落ちるようになっているのです。こうした外形的な事実を見ると、透明性や公正性に疑念を抱かざるを得ません。原発関連予算の使途について疑念を抱かれることのないよう、下村文科大臣には、入札改革について更なる取り組みをお願いしました。



<核廃棄物の最終処分場選定事業について>

原子力政策が今後どのようなものになるにせよ、使用済み核燃料が既に存在している以上、最終処分場の選定は進めなくてはなりません。しかしながら、この10年間、候補地の選定作業は全く進んできませんでした。その一方、効果のない広報事業には多額の予算がつぎ込まれてきました。カニの化石で地層の安定性を訴える広報など、効果の疑わしい事例をいくつか提示したうえで、茂木経産大臣に改善を求めました。これに対し大臣からは、効果のない広報事業はやらないと強い決意を示していただきました。

加えて私からは、市町村からの公募で候補地を選定するやり方自体、非現実的ではないかと指摘しました。原発の新規建設に際しては、国が立地交付金を出してまで積極的に関与する以上、その「後始末」についても、国が積極的に関与すべきであり、安定的な地層処分を行うための断層調査等も国が主体的に行うなど、国家の主導的関与が不可欠だと指摘しました。いずれにしても、効果のない事業を漫然と続けることは厳に慎むべきです。



<東電の総合特別事業計画の見直しについて>

最後に、東電の処理についても取り上げました。現在の東電の賠償スキームである「総合特別事業計画」は、柏崎刈羽にある7つの原子炉が、この4月から順次再稼働することを前提に作られています。原発が予定通り動かなくなると、一基あたり約800億円コストが膨らむ計算です。単純計算すると年間5000億円を超える収益の悪化が見込まれるわけです。しかし、原発再稼働の目途は立っていません。また、福島第1原発の5、6号機および福島第2原発の廃炉費用についても、将来が不透明だからと言って費用計上を先送りしたままです。こうした現実を直視すれば、現在の総合特別事業計画は実態とかい離していると言わざるを得ません。そんな中、無理に上場を維持することには無理があるのではないか、総合特別事業計画や、その前提となっている賠償スキームおよび関連法を見直すべきではないかと質問しました。


いずれにしても、これ以上、誤魔化しや先送りをすべきではありません。東電も今のままでは単なる賠償支払い会社にとどまり、企業価値がどんどん毀損していきます。私は、事故処理に関しては国家が全面に出て、例えば、東電の原発事業は国が引き取り、場合によっては、国のお金を入れてでも処理を加速化すべきだと考えます。廃炉にかかる会計上の処理方法を見直したり、その費用を薄く長く電気料金に転嫁していくような弥縫策にとどまるのではなく、国が責任をもって「後始末」を主導することこそ正しい方向だと考えます。機構法の見直し期限はこの夏です。正しい見直しとなるよう、引き続き、注視していきたいと思っています。