成田屋たった三年前大千穐楽で、助六演じられた成田屋と通人の中村屋、どちらも、今は、劇場にいることができない、その助六、烏ヤからの出は私たちは最後列の花見脇に座っていた、幕の向こうから聞こえた出の合図『はいっ!』という声とキレの良い高らかな駆ける下駄の響きは今も鮮やかに耳に焼きつく。残され今日も舞台に立つ人たちの辛さ切なさと重責感をおもう。