「ドラゴン×マッハ!」(2017)

トニー・ジャー  ウー・ジン  マックス・チャン

 

 

タイの刑務所で看守として働くチャイは、白血病の8歳の娘のドナーが見つかるのを待ちきれず、リストを盗み見て自ら連絡をとろうとしていた。

ある時収監されたチーキットは、自分は香港警察の警官だと騒ぎ、刑務所所長コーから執拗な暴力を受けるのをチャイは黙認していた。

 

 

トニーちゃん祭り。

パパトニーちゃんも素敵。

でももう本当にトニーちゃんが死んでしまうんじゃないかとハラハラする。

娘の知らないところでパパがこんな目にあってるなんて、娘が知ったら病気どころの騒ぎではない。

 

ずっと病とともに生きてきて、もっと生きたい、どうにかして健康になりたい、と思うのは自然なことだ。

家族なら本人以上にそれを望むし、実際自分の命に代えられるものなら代えてもいい、何をしたっていい、とさえ思うだろう。

 

その一方で、もし自分や家族が誰かの助けで命を救われたなら、その人の為になら何でもする、どんな願いでも叶えようとするだろう。

人は生きていられることに、失望と同じくらい希望を感じるものだから。

 

このふたつの願いが同じ方向を向いていたなら、矛盾は生まれないはずなのに、ねじれて葛藤が生まれてしまうこともあるのは、悲しいことだなあ。

でもその葛藤が一見間違った方に進んだとしても、実は後から見ればそれは間違いではなく、そうなるようになっていた方に、いずれは向かっていくものなんだろう。

 

そこには思いもしなかったような、奇跡的な何かが待っているんだと思う。