「グランツーリスモ」(2023)

アーチー・マデクウィ  デビッド・ハーバー  オーランド・ブルーム

 

 

プレステ「グランツーリスモ」に熱中するヤン・マーデンボローは、ゲームのトッププレイヤーをプロレーサーに育成する「GTアカデミー」の予選を勝ち抜きトレーニングに参加する。

 

 

元プロサッカー選手のヤンの父親でなくとも、ゲームに熱中する我が子というものはなかなか理解しがたく、受け入れがたく、どうにか外に連れ出し「健康的」に体を動かしたほうがいいのに、と思うものだろう。

 

口では「好きなことをしろ」「やりたいことをやれ」と言うが、それは「自分の理解できる、自分が安心できる範囲のことで」という注釈つき。

子の真剣な思いは、世の中を知らなすぎるばかばかしい妄想にすぎないのだから、正しい世の中を教えなければ、と思うのが親。

まあ心配だからなんだけどね。

 

親の生きる世界と子の生きる世界は天と地ほどの差があり、親の経験などもはや古臭すぎて子らには邪魔でしかないのだけど

親になるとそれを忘れてあれこれ言いたくなってしまう。

それも子がいとおしく大切だからなんだけどね。

 

だからこそ

親にできるのは後ろのほうで見守り、子を信頼し、子に信頼されること。

もしもの時に傷ついた子らが帰れる場所であること。

そしてまた出て行こうとする子を再び信頼して引き止めないこと。

だなあと思った。

 

ル・マンのレースで自分の思うようにやらせてほしいと言うヤンに、ダニー(オーランド・ブルーム)が「リスクを冒すな。完走できればいい」と言うが、リスクいっぱいのアカデミーを発足した張本人が何言ってんだか、笑った。