「アルキメデスは手を汚さない」 小峰 元
大阪府豊中市の高級住宅街で、17歳の高校生・柴本美雪の葬儀が営まれた。
喪主の父・健次郎は美雪の死因は病死と告げながら、心では復讐を誓っていた。
舞台は昭和47年、文中に真面目に「ナウな感覚」とか出てきてちょっと笑う。
父親や刑事や先生も出てくるが、美雪の同級生である高校生たちがどうにも大人っぽい。
しゃべり方も考え方もふざけ方もすべてが大人っぽい。
それでいて大人たちに「今時の若い者は…」とお決まりのセリフを言われている。
彼らから見たら今の時代の若者たちなんて、赤ちゃん以下だろうなあ。
昔には許されてた表現が今では差別用語だったり
高校生が悪者を成敗しようとしたり(成敗って)
やはり高校生が弁当のセリを仕切ったり株で儲けたり(株は今でもありか?)
驚きすぎて笑ってしまう部分もあるが
それが時代が流れたということ
そして今も時代は流れ続けているということ
「ナウ・今」なんて本当に一瞬で過去になってしまうのだなあとしみじみした。