「きりぎりす」 太宰 治

「燈籠」「姥捨」 他 全14編

 

 

「姥捨」

 

 

嘉七は、妻・かず枝とともに死のうと決めて、家を出た。

 

 

太宰治はしんどいなあ。

読むのはしんどいし、しんどい生き方だなあと気の毒に思う。

それでもたまに読むのは、ユーモアを笑える時があるからだけど、人生の全般的にこういう感じで生きていたのかと思うと、私も耐えられないだろうと思う。

 

自分は生き残り、かず枝が死んでしまったと思った嘉七は

自分はまだまだ子供だ。

子供がなんでこんな苦労をしなければならないのか。

と泣く。

 

ほんとうに精神的に子どもなんだなあ。

自分がつらい、苦しい時、何かのせいにせずにいられないんだなあ。

誰のせいでもない、と思えるのが大人なのではないか

誰のせいでもない、と思えればここまでしんどくならなかったのでは

と思う。