「職業としての小説家」 村上 春樹
「村上春樹」は小説家としてどう歩んできたかを語り尽くす。
文章を書くことに苦痛を感じたことがない、とは驚いた。
書きたい気持ちになるまで書かない、かららしいが、小説家を職業とするなら不可能では?と思ったけど、どうも可能にしてしまったということらしい。
そのために何が必要かと言われれば、「それをしている時、あなたは楽しい気持ちになれますか?」という問いが基準になる。
何か自分にとって重要なことをしているのに、わくわくしないのは、何か余分なものがくっついてきてるから。
それをマイナスしていく。
大抵人は余計なものを抱えすぎているから。
また小説家であり続けるうために必要なのは、実は体力。
若いころはなんとかなっても、体力が落ちると思考力まで落ちる。
だから著者は走る。
毎日1時間、ナチュラルに自分に必要だから、走る。
力が抜けているようで、芯にある力強さを感じる。
だからこそやわらかく柔軟に物語を書ける。
バランスがいい、とはこういうことかとしみじみ思う。