「クスノキの番人」 東野 圭吾
解雇された会社に忍び込み、罪を犯して逮捕された玲斗のもとに弁護士が現れ、依頼人に従うなら釈放されるという提案を受ける。
依頼人は伯母だと名乗り、クスノキの番人をしてもらいたいと言う。
最初から読みやすくて引き込まれる。
玲斗と一緒に???と思いながらどんどん進んでいく。
やがてたどり着いた先にさらに思わぬ展開があっておどろく。
さすがだなあ。
血のつながりって不思議だ。
わけもなく好意を感じるし、その反動で根深い憎しみを持つことにもなるし
気安さがあるからと気をゆるすと、理解できなくて絶望することもある。
さまざまな親子が、きょうだいが、言わなくてもわかってるだろうと思ってるけど
そんなことはない。
正直に言葉にする力はやはり必要だ。
人間に与えられた、言葉をあやつる能力を使わなくてどうする、とクスノキは伝えたいのかと、思う。