「AIR エア」(2023)
マット・デイモン ベン・アフレック
1984年、ソニー・ヴァッカロはバスケットシューズ界で4番手のナイキの立て直しを命じられる。上司のロブとともに、すでにアディダスとコンバースからの接触を受けているマイケル・ジョーダンに目をとめ取引に挑む。
ソニーがマイケルを押すと周囲からは猛反対を受ける。
もちろん心は揺れるが、それでも「心の声」にしたがってソニーは決断する。
自分のこころに正直に行動するのは、時にとてもしんどいことだ。
まわりの言う通り、望む通りに、波風立てずに生きていくのは楽なことに見える。
でも必ずあとでつけを払うことになる。
ソニーはマイケルとの交渉にあたっては、さらに自分に正直になり
光り輝く場所に持ち上げられたあとのこともマイケルに伝える。
あまりの正直さに、そして未来を見透かすようなその言葉に涙が出た。
正直さは時にとても残酷。
でもまだ子どものマイケルに、大人としてひとつの覚悟を持たせることは、とても大事なことだ。
それは大人の仕事のひとつだと思う。
エア・ジョーダンの美しさに目を奪われ、80年代の電話の存在感にも圧倒され、懐かしさに浸れる時間だった。