「生きるとは、自分の物語をつくること」 小川洋子 河合隼雄
2006年と2008年の対話と、少し長すぎるあとがき。
クライアントがうそみたいな偶然のできごとを通して回復していくことがある。
それはそういうことがあると信じていない人には見えないが
もしかしたらあるかもと思っている人には見える。
なぜならそれはいつも身の回りにあるから。
偶然なんて起こらないという人は気づいていないだけだから。
人間はものごとを了解できると安定するので
人の話を丁寧に聞かず自分の解釈で片付けてしまおうとする。
そういう話の聴き方をするとクライアントは置き去りにされる。
落ち込んでいる人の言葉には「そうか」と言う。
でも希望は失っていないことが大切。
望みを失わずにぴったりそばにいることが完璧だけれど
それは何よりも難しいこと。
対話形式だととても大切なことがわかりやすく語られる。
人の話をほんとうに聴くのは難しいことだ。
とくに望みを失わず…というのが難しい、でも、一番心がけたいことだ。